サーバーとは?仕組みや種類などをわかりやすく解説

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サーバーは、クライアントと呼ばれる他のコンピュータからの要求を受け、処理結果を返す役割を担うネットワーク上のコンピュータソフトウェアである。




サーバーの仕組み

1. クライアントからの要求

クライアントは、Webブラウザやメールソフトなどのアプリケーションを通じて、サーバーへ要求を送信する。要求には、アクセスしたいWebサイトのURLや、送信したいメールの内容などが含まれる。

2. サーバーによる処理

サーバーは、受け取った要求を解析し、適切な処理を行う。Webサイト閲覧の要求であれば、該当するWebページのデータを取得し、クライアントへ送信する。メール送受信の要求であれば、メールサーバー間でメッセージを転送する。

3. 結果の返送

サーバーは、処理結果をクライアントへ返送する。Webサイト閲覧であれば、Webページが表示される。メール送受信であれば、メールが受信ボックスに届く。

4. 通信プロトコル

クライアントとサーバー間の通信は、HTTPSMTPなどの通信プロトコルによって規定されている。これらのプロトコルは、通信のフォーマットやルールを定め、円滑なデータ送受信を可能にする。

5. ポート番号

サーバーには、それぞれ異なる役割を持つポート番号が割り当てられている。Webサーバーであれば80番ポート、メールサーバーであれば25番ポートなどが一般的である。ポート番号は、クライアントが適切なサーバーへ要求を送信するために利用される。

6. ドメインネームシステム (DNS)

ドメインネームシステム (DNS) は、ドメイン名をIPアドレスに変換する仕組みである。Webブラウザに入力されたドメイン名は、DNSサーバーによってIPアドレスに変換され、クライアントはIPアドレスを基にサーバーへアクセスすることができる。

このように、クライアントとサーバーの協調的な動作によって、様々なインターネットサービスが提供されている。

サーバーの種類

サーバーの物理的に分別した種類は以下の通り。

1. 物理サーバー

実際に存在するハードウェア機器を使用したサーバーである。CPUメモリストレージなどの物理的なリソースを個別に管理する必要があり、運用や管理が複雑になるという課題がある。

2. 仮想サーバー

1台の実機サーバー上で複数の仮想サーバーを動作させる技術である。仮想化ソフトウェアを用いることで、ハードウェア資源を効率的に活用することができ、サーバーの運用管理を簡素化できる。

3. クラウドサーバー

インターネット経由でサーバーサービスを利用できるサービスである。サーバーの設置や管理にかかる手間を省くことができ、コスト削減や迅速なシステム構築が可能となる。

4. コンテナサーバー

アプリケーションとその必要な環境をひとまとめにしたパッケージであるコンテナを用いて、アプリケーションを簡単にデプロイ・運用できる技術である。可搬性やスケーラビリティに優れており、マイクロサービスアーキテクチャとの相性が良い。

5. エッジサーバー

ネットワークの末端に設置されるサーバーである。ネットワーク遅延やデータ損失を抑制し、リアルタイム性の高いサービスを提供することができる。

サーバーの役割

また、サーバーには、様々な役割を担っている。ここでは、代表的な役割とアプリを紹介する。

1. Webサーバー

Webサーバーは、WebサイトやWebアプリケーションの公開に必要なデータを格納し、クライアントからのリクエストに応じて配信する役割を担っている。代表的なWebサーバーアプリは以下の通り。

Apache HTTP Server: オープンソースで無料で利用できるWebサーバーであり、世界で最も広く利用されている。安定性と拡張性に優れている。
Nginx: 高速処理と軽量な動作が特徴のWebサーバーである。近年、利用者数を急速に増やしている。
Microsoft Internet Information Services (IIS): Windows Serverに標準搭載されているWebサーバーである。Active Directoryとの連携に優れている。

2. メールサーバー

メールサーバーは、電子メールの送受信を管理する役割を担っている。代表的なメールサーバーアプリは以下の通り。

Postfix: オープンソースで無料で利用できるメールサーバーであり、高い安定性と拡張性を誇ります。
Exim: 高速処理と豊富な機能が特徴のメールサーバーである。近年、利用者数を増やしている。
Microsoft Exchange Server: Microsoftが提供するメールサーバーであり、Active Directoryとの連携に優れている。企業向けの機能が充実している。

3. データベースサーバー

データベースサーバーは、データベースを格納し、管理する役割を担っている。代表的なデータベースサーバーアプリは以下の通り。

MySQL: オープンソースで無料で利用できるデータベースサーバーであり、世界で最も広く利用されている。使いやすさと豊富な機能が特徴である。
PostgreSQL: オープンソースで無料で利用できるデータベースサーバーであり、高い安定性と拡張性を誇ります。SQLに準拠した機能が豊富である。
Microsoft SQL Server: Microsoftが提供するデータベースサーバーであり、企業向けの機能が充実している。Active Directoryとの連携に優れている。

4. アプリケーションサーバー

アプリケーションサーバーは、Webアプリケーションを実行するための環境を提供する役割を担っている。代表的なアプリケーションサーバーアプリは以下の通り。

Apache Tomcat: Java Servletを動かすサーブレットコンテナである。Javaアプリケーションの開発・運用に広く利用されている。
JBoss: Java EEアプリケーション向けのオープンソースアプリケーションサーバーである。スケーラビリティと可用性に優れている。
WebSphere Application Server: IBMが提供するエンタープライズ向けアプリケーションサーバーである。ミッションクリティカルなシステム向けに設計されている。

5. ファイルサーバー

ファイルサーバーは、ファイルを共有するためのサーバーである。代表的なファイルサーバーアプリは以下の通り。

Windows Server: ファイル共有機能に特化したWindows Server OSである。Active Directoryとの連携に優れている。
Samba: Windows Serverと互換性のあるオープンソースのファイルサーバーである。Linux環境でファイル共有を実現する際に利用されます。
NFS: ネットワーク上でファイルを共有するための分散ファイルシステムである。UNIX系OSでよく利用されます。

6. ストレージサーバー

ストレージサーバーは、大量のデータを格納し、管理する役割を担っている。代表的なストレージサーバーアプリは以下の通り。

Network Attached Storage (NAS): ネットワーク経由でファイル共有を行うストレージ装置である。小規模なオフィスや家庭でよく利用されます。
Storage Area Network (SAN): 高速なネットワーク接続でストレージを共有するシステムである。ミッションクリティカルなシステム向けに利用されます。
Object Storage: オブジェクトと呼ばれる単位でデータを格納する分散型ストレージサービスである。クラウドストレージでよく利用されます。

7. DNSサーバー

DNSサーバーは、ドメイン名とIPアドレスを相互に変換する役割を担っている。代表的なDNSサーバーアプリは以下の通り。

Bind: オープンソースで無料で利用できるDNSサーバーであり、世界で最も広く利用されている。
Unbound: 高速処理とセキュリティ機能に優れているDNSサーバーである。近年、利用者数を増やしている。
PowerDNS: エンタープライズ向けの高機能DNSサーバーである。大規模なネットワーク向けに設計されている。

8. プロキシサーバー

プロキシサーバーは、インターネットへのアクセスを仲介する役割を担っている。クライアントからインターネットへのリクエストを代行し、過去にアクセスしたWebページやファイルをキャッシュすることで、アクセス速度を向上や、不正なアクセスや有害なコンテンツからクライアントを保護することができる。代表的なプロキシサーバーアプリは以下の通り。

Squid: オープンソースで無料で利用できるプロキシサーバーであり、世界で最も広く利用されている。キャッシュ機能に優れている。
HAProxy: 高速処理とロードバランシング機能に優れているプロキシサーバーである。近年、利用者数を増やしている。
Varnish: 高速キャッシュと動的コンテンツ配信に特化したプロキシサーバーである。Webパフォーマンスの向上に効果的である。 

まとめ

サーバーは、インターネット利用において不可欠な存在である。その役割は多岐にわたっており、情報提供、処理、管理など様々な機能を担っている。サーバーの種類や仕組みを理解することで、インターネットの基盤を支える技術の重要性をより深く認識することができるだろう。

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