OSとは?仕組みや種類などをわかりやすく解説

OSとは、オペレーティングシステム(Operating System)の略で、コンピュータの基本的なソフトウェアである。

コンピュータのハードウェアアプリケーションソフトウェアの中間に位置し、ハードウェアアプリケーションソフトウェアの仲介役として、コンピュータの全体を管理・制御する役割を担っている。




OSの歴史

OSの歴史は、コンピュータの歴史と共に歩んできた。初期のコンピュータにはOSが搭載されていなかったが、1950年代後半に登場したIBMのメインフレームコンピュータに、初めてOSが搭載された。

その後、1970年代に登場したパーソナルコンピュータの普及に伴い、OSの開発が盛んに行われるようになった。1980年代には、MS-DOSやMac OSなどのOSが登場し、パーソナルコンピュータの普及に大きく貢献した。

1990年代には、Windows 95やLinuxなどのOSが登場し、OSの多様化が進んだ。2000年代以降は、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスの普及に伴い、iOSやAndroidなどのOSが登場し、OSの市場はさらに拡大している。

OSの役割

ハードウェアの制御

OSは、コンピュータのハードウェアを制御する役割を担っている。具体的には、CPU、メモリ、ディスク、キーボード、マウスなどのハードウェアを管理し、それらを適切に動作させている。

OSは、ハードウェアの種類や性能に応じて、適切な動作をするように設計されている。例えば、CPUの種類や動作クロックによって、CPUの割り当て方や処理の優先順位を調整する。メモリの容量や種類によって、メモリの割り当て方や使用方法を調整する。ディスクの種類や容量によって、ディスクのアクセス方法やデータの保存方法を調整する。

OSは、ハードウェアの制御を通じて、コンピュータの安定した動作を実現している。

アプリケーションソフトウェアの実行

OSは、アプリケーションソフトウェアの実行を制御する役割を担っている。具体的には、アプリケーションソフトウェアがハードウェアを適切に使用できるようにし、アプリケーションソフトウェアの動作を管理している。

OSは、アプリケーションソフトウェアがハードウェアの機能を使用できるように、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を提供している。APIは、アプリケーションソフトウェアがハードウェアにアクセスするための手順や方法を定めたインターフェースである。

OSは、アプリケーションソフトウェアの動作を管理することで、アプリケーションソフトウェアの安全な実行を実現している。例えば、マルチタスク環境では、複数のアプリケーションソフトウェアが同時に実行されるため、OSは、各アプリケーションソフトウェアの処理を順番に実行したり、CPUの割り当てを調整したりすることで、アプリケーションソフトウェア同士の干渉を防いでいる。

ユーザーの操作性向上

OSは、ユーザーの操作性向上を役割を担っている。具体的には、ファイルの管理やアプリケーションソフトウェアの起動などの操作を簡略化し、ユーザーがコンピュータを使いやすくしている。

OSは、GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)やコマンドライン・インターフェースなどのインターフェースを提供することで、ユーザーがコンピュータを直感的に操作できるようにしている。

OSは、ユーザーの操作性向上を通じて、コンピュータの利用をより便利で快適なものにしている。

OSの仕組み

OSの仕組みは、大きく分けて以下の3つの部分から構成されている。

カーネル

カーネルは、OSの最も重要な部分であり、コンピュータのハードウェアを直接制御する役割を担っている。カーネルは、主に以下の機能を提供している。

  • メモリの管理

カーネルは、メモリを割り当てたり、メモリを管理したりする役割を担っている。メモリは、コンピュータの最も重要な資源であるため、カーネルは、メモリを効率的に使用できるように管理している。

  • プロセスの管理

カーネルは、プロセスの作成や終了、プロセスの切り替えなどの役割を担っている。プロセスとは、アプリケーションソフトウェアを実行している状態のことである。カーネルは、複数のプロセスを同時に実行できるように、プロセスを管理している。

  • デバイスの管理

カーネルは、ハードウェアデバイスのアクセスや制御を行う役割を担っている。ハードウェアデバイスとは、ディスクやキーボード、マウスなどのハードウェアのことである。カーネルは、デバイスドライバを介して、ハードウェアデバイスを管理している。

デバイスドライバ

デバイスドライバは、ハードウェアとOSをつなぐ役割を担っている。デバイスドライバは、特定のハードウェアの機能をOSに提供するために、ハードウェアの詳細な仕様をOSに伝えている。

デバイスドライバの役割は、大きく分けて以下の2つである。

  • ハードウェアの機能の提供

デバイスドライバは、ハードウェアの機能をOSに提供する役割を担っている。例えば、ディスクドライブのデバイスドライバは、ディスクの読み書きやフォーマットなどの機能をOSに提供する。

  • ハードウェアとのインタフェースの提供

デバイスドライバは、ハードウェアとOSの間のインタフェースを提供する役割を担っている。デバイスドライバは、ハードウェアの詳細な仕様をOSに伝えることで、OSがハードウェアを適切に使用できるようにしている。

アプリケーションソフトウェア

アプリケーションソフトウェアは、ユーザーが実際に使用するソフトウェアである。OSは、アプリケーションソフトウェアがハードウェアを適切に使用できるように、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を提供している。

アプリケーションソフトウェアの機能は、大きく分けて以下の2つである。

  • ユーザーの要求の処理

アプリケーションソフトウェアは、ユーザーの要求を処理する役割を担っている。例えば、文書作成ソフトウェアは、ユーザーが入力した文字を処理して、文書を作成する。

  • ハードウェアの機能の利用

アプリケーションソフトウェアは、ハードウェアの機能を利用することで、機能を実現している。例えば、画像編集ソフトウェアは、ディスプレイの機能を利用することで、画像を表示している。

OSの種類

モノリシックOS

モノリシックOSとは、OSのすべての機能が1つのモジュールにまとめられたOSである。最も古いタイプのOSであり、シンプルでわかりやすい設計であるが、拡張性が低いなどの欠点がある。

モノリシックOSの特徴

  • すべての機能が1つのモジュールにまとめられている
  • シンプルでわかりやすい設計
  • 拡張性が低い

モノリシックOSの例

  • MS-DOS
  • CP/M
  • Unix

マイクロカーネルOS

マイクロカーネルOSとは、OSの基本的な機能のみをモジュール化したOSである。モノリシックOSと比較して拡張性が高く、セキュリティ性が高いなどの利点があるが、複雑な設計であるため、開発や運用が難しいという欠点がある。

マイクロカーネルOSの特徴

  • OSの基本的な機能のみをモジュール化している
  • 拡張性が高く、セキュリティ性が高い
  • 複雑な設計であるため、開発や運用が難しい

マイクロカーネルOSの例

  • Linux
  • FreeBSD
  • NetBSD

ハイブリッドOS

ハイブリッドOSとは、モノリシックOSとマイクロカーネルOSの両方の機能を組み合わせたOSである。モノリシックOSのシンプルな設計と、マイクロカーネルOSの拡張性とセキュリティ性の両方を兼ね備えている。

ハイブリッドOSの特徴

  • モノリシックOSとマイクロカーネルOSの両方の機能を組み合わせている
  • モノリシックOSのシンプルな設計と、マイクロカーネルOSの拡張性とセキュリティ性の両方を兼ね備えている

ハイブリッドOSの例

  • Windows NT
  • Solaris

OSのインストール方法

OSのインストール方法は、大きく分けて以下の2種類である。

 新規インストール

新規インストールは、コンピュータにOSがインストールされていない状態から、新たにOSをインストールする方法である。新しいコンピュータを購入した場合や、OSを再インストールしたい場合に用いられる。

新規インストールを行うためには、以下の準備が必要である。

  • OSのインストールメディア: DVDやUSBメモリなどの媒体に格納されたOSのインストーラー
  • ライセンスキー: OSを使用するための認証コード
  • 空き容量のあるストレージ: OSをインストールするための領域

新規インストールの手順は、OSによって異なるが、一般的には以下の流れとなる。

  1. コンピュータを起動し、インストールメディアから起動する
  2. インストール画面の指示に従って、言語、キーボードレイアウト、地域設定などを選択する
  3. ライセンス条項に同意する
  4. インストール先のドライブを選択する
  5. 必要に応じて、パーティションを作成する
  6. インストールが完了するまで待つ
  7. コンピュータを再起動する

アップグレードインストール

アップグレードインストールは、すでにOSがインストールされているコンピュータに、新しいバージョンのOSをインストールする方法である。OSの機能を向上させたり、セキュリティ上の脆弱性を修正したい場合に用いられる。

アップグレードインストールを行うためには、以下の準備が必要である。

  • 新しいバージョンのOSのインストールメディア: DVDやUSBメモリなどの媒体に格納されたOSのインストーラー
  • ライセンスキー: 新しいバージョンのOSを使用するための認証コード
  • 空き容量のあるストレージ: 新しいバージョンのOSをインストールするための領域

アップグレードインストールの手順は、OSによって異なるが、一般的には以下の流れとなる。

  1. コンピュータを起動し、インストールメディアから起動する
  2. インストール画面の指示に従って、言語、キーボードレイアウト、地域設定などを選択する
  3. ライセンス条項に同意する
  4. アップグレードインストールを選択する
  5. インストールが完了するまで待つ
  6. コンピュータを再起動する

OSのインストール方法は、上記以外にも、ネットワーク経由でインストールを行う方法など、様々な方法がある。自分に合った方法を選択して、OSをインストールすることが重要である。

OSとファームウェアの違い

OSとファームウェアは、コンピュータを動かすために必要な二つのソフトウェアであるが、両社の役割や動作レベルが異なる。OSとファームウェアの主な違いは以下の通りである。

  • 役割: OSはコンピュータ全体の基本的な動作を制御する一方、ファームウェアは特定のハードウェアを動かす。
  • 動作レベル: OSはファームウェアよりも上位のレベルで動作する。
  • 更新頻度: OSは比較的頻繁に更新される一方、ファームウェアはそうではない。
  • ユーザーインターフェース: OSはユーザーインターフェースを持ち、ユーザーが直接操作できる一方、ファームウェアはユーザーインターフェースを持たず、ユーザーが直接操作することはできない。

ファームウェアはハードウェアに組み込まれており、OSよりも低レベルで動作する。ファームウェアは、ハードウェアの動作を制御し、OSとの間でデータの送受信を行う。具体的には、デバイスの初期化、電源管理、入出力制御、エラー処理などの機能を担っている。

それぞれの役割と違いを理解することで、コンピュータの仕組みをより深く理解することができる。

まとめ

OSとは、コンピュータの基本的なソフトウェアであり、コンピュータのハードウェアとアプリケーションソフトウェアの仲介役として、コンピュータの全体を管理・制御する役割を担っている。OSには、モノリシックOS、マイクロカーネルOS、ハイブリッドOSなどの種類があり、それぞれに特徴がある。OSの歴史は、コンピュータの歴史と共に歩んできた。今後も、コンピュータの進化とともに、OSの技術はさらに進歩していくことが予想される。

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