VDIとは?仕組みやメリット・種類をわかりやすく解説

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VDI(Virtual Desktop Infrastructure)とは、デスクトップ環境を仮想化し、サーバー上で一元管理する仕組みである。

ユーザーは、クライアント端末からネットワーク経由で仮想デスクトップに接続し、デスクトップ画面を呼び出した上で操作する。




VDIの仕組み

VDIの仕組みは、以下の3つの要素から構成される。

仮想化技術

VDIでは、仮想化技術を使用して、デスクトップ環境を仮想マシンとして実現する。仮想マシンは、物理的なコンピューター上で、ハードウェアソフトウェアを論理的に分割したものである。

ネットワーク

VDIでは、クライアント端末とサーバー間で、仮想デスクトップの画面やデータのやり取りを行うため、ネットワークが必要になる。

VDI管理ソフトウェア

VDIの導入・運用・管理を行うためのソフトウェアである。仮想マシンの作成や管理、アクセス制御などの機能を提供する。

VDIのメリット

セキュリティの強化

VDIでは、デスクトップ環境をサーバー上に集約するため、ユーザーの端末に重要なデータソフトウェアインストールする必要がなくなる。これにより、情報漏洩やマルウェア感染のリスクを低減することができる。

運用・管理の効率化

VDIでは、デスクトップ環境のOSアプリケーションサーバー側で一括管理するため、ユーザーの端末ごとに個別に設定や管理を行う必要がなくなる。これにより、運用・管理の負担を大幅に軽減することができる。

コスト削減

VDIでは、ユーザーの端末に高性能なスペックや大容量のストレージを搭載する必要がなくなる。これにより、ハードウェアの初期コストやランニングコストを削減することができる。

VDIの種類

画面転送型

画面転送型のVDIは、サーバー上の仮想デスクトップの画面を、クライアント端末にリアルタイムで転送する方式である。クライアント端末のCPUメモリーは、画面の表示処理にのみ使用されるため、軽量な端末でも利用することができる。

画面転送型のVDIのメリットは、以下のとおりである。

  • 軽量な端末でも利用できる

画面転送型のVDIでは、クライアント端末に仮想デスクトップの画面を表示するだけなので、CPUメモリーなどのリソースをそれほど必要としない。そのため、タブレットやノートパソコンなどの軽量な端末でも利用することができる。

  • 初期コストを抑えられる

画面転送型のVDIでは、クライアント端末に仮想デスクトップのOSアプリケーションインストールする必要がないため、初期コストを抑えることができる。

画面転送型のVDIのデメリットは、以下のとおりである。

  • 画面表示の応答速度が遅い

画面転送型のVDIでは、サーバーからクライアント端末に画面をリアルタイムで転送するため、画面表示の応答速度が遅くなることがある。

  • ネットワーク帯域を多く使用する

画面転送型のVDIでは、画面をリアルタイムで転送するため、ネットワーク帯域を多く使用する。そのため、ネットワークの帯域幅が狭い環境では、画面表示の乱れや遅延が発生する可能性がある。

ネットワークブート型

ネットワークブート型のVDIは、クライアント端末がサーバーから仮想デスクトップのOSイメージをダウンロードして起動する方式である。画面転送型と比べて、画面表示の応答速度が速いというメリットがある。

ネットワークブート型のVDIのメリットは、以下のとおりである。

  • 画面表示の応答速度が速い

ネットワークブート型のVDIでは、画面表示処理をサーバー側で行うため、画面表示の応答速度が速くなる。

  • ネットワーク帯域をあまり使用しない

ネットワークブート型のVDIでは、画面の転送は必要ないため、ネットワーク帯域をあまり使用しない。

ネットワークブート型のVDIのデメリットは、以下のとおりである。

  • 重量のある端末が必要

ネットワークブート型のVDIでは、クライアント端末で仮想デスクトップのOSを起動するため、CPUメモリーなどのリソースを必要とする。そのため、タブレットやノートパソコンなどの軽量な端末では、パフォーマンスが低下する可能性がある。

  • 初期コストが高くなる

ネットワークブート型のVDIでは、クライアント端末に仮想デスクトップのOSやアプリケーションインストールする必要があるので、初期コストが高くなる。

VDIの主要な製品

Microsoft RDS

Microsoftが提供するVDI製品である。Windows Serverと組み合わせて利用することで、Windowsデスクトップ環境を仮想化することができる。

VMware Horizon

VMwareが提供するVDI製品である。WindowsやLinuxのデスクトップ環境を仮想化することができる。

Citrix Virtual Apps and Desktops

Citrixが提供するVDI製品である。WindowsやLinuxのデスクトップ環境を仮想化することができる。

Amazon WorkSpaces

Amazon Web Servicesが提供するVDIサービスである。Windowsデスクトップ環境を仮想化することができる。

Microsoft Azure Virtual Desktop

Microsoft Azureが提供するVDIサービスである。Windowsデスクトップ環境を仮想化することができる。

Google Cloud VMware Engine

Google Cloudが提供するVDIサービスである。オンプレミスのVMware環境をクラウドに移行して利用することができる。

IBM Cloud for Virtual Desktops

IBM Cloudが提供するVDIサービスである。Windowsデスクトップ環境を仮想化することができる。

Oracle Cloud VMware Solution

Oracle Cloudが提供するVDIサービスである。オンプレミスのVMware環境をクラウドに移行して利用することができる。

VDIの課題

初期導入コストの高さ

VDIを導入するには、サーバーやネットワークなどのハードウェアソフトウェアの初期投資が必要になる。オンプレミス型のVDIを導入する場合は、特に初期コストが高額になる傾向がある。

ネットワーク帯域の確保

VDIでは、クライアント端末とサーバー間で高頻度にデータのやり取りを行うため、ネットワーク帯域の確保が必要になる。ネットワークの帯域幅が狭い環境では、画面表示の乱れや遅延が発生する可能性がある。

セキュリティ対策の確保

VDIは、サーバー上の仮想デスクトップが攻撃対象となる可能性があるため、セキュリティ対策を十分に講じる必要がある。仮想デスクトップへのアクセス制御やデータの暗号化などの対策を実施する必要がある。

運用・管理の負担

VDI環境を運用・管理するには、専門的な知識やスキルが必要になる。オンプレミス型のVDIを導入する場合は、特に運用・管理の負担が大きくなる傾向がある。

まとめ

VDIは、デスクトップ環境を仮想化し、サーバー上で一元管理する仕組みである。セキュリティの強化や運用・管理の効率化、コスト削減などのメリットがあるが、初期導入コストの高さやネットワーク帯域の確保、セキュリティ対策の確保などの課題もある。

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