シンクライアントとは?種類やメリットなどをわかりやすく解説

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シンクライアントとは、クライアント端末に必要最小限の処理をさせ、ほとんどの処理をサーバ側に集中させたシステムアーキテクチャ全般のことをいう。または、そのようなシステムアーキテクチャで使われるように機能を絞り込んだ専用のクライアント端末のことをいう場合もある。




シンクライアントの概要

シンクライアントでは、クライアント端末はキーボードやマウスなどの入力デバイスと、ディスプレイなどの出力デバイスのみを備える。アプリケーションの実行やデータの保存などは、すべてサーバ側で行う。

クライアント端末とサーバ側は、ネットワークで接続されている。クライアント端末から入力されたデータは、ネットワークを通じてサーバ側に送信される。サーバ側では、入力されたデータの処理やアプリケーションの実行を行い、処理結果を画面に表示したり、データとして保存したりする。

具体的には、クライアント端末では、キーボードやマウスからの入力を受け取り、画面に表示する。また、画面への出力もクライアント端末で行われる。ただし、アプリケーションの実行やデータの保存は、すべてサーバ側で行う。

シンクライアントの種類

シンクライアントは、その仕組みや機能によって、以下の3つの種類に分類される。

リモートデスクトップ型

リモートデスクトップ型は、クライアント端末にOSアプリケーションインストールせず、サーバ側の仮想デスクトップを表示する方式である。

クライアント端末では、キーボードやマウスなどの入力デバイスからの入力を受け取り、ネットワークを通じてサーバ側に送信する。また、サーバ側から送信された画面表示データを、ディスプレイに出力する。

サーバ側では、クライアント端末からの入力データの処理や、アプリケーションの実行を行う。また、処理結果を画面表示データやデータとしてクライアント端末に送信する。

リモートデスクトップ型のメリットは、以下のとおりである。

  • コスト削減

クライアント端末のハードウェアOS、アプリケーションの購入・運用コストを削減できる。

  • セキュリティの向上

クライアント端末に重要なデータを保存しないため、セキュリティリスクを低減できる。

  • 運用の効率化

クライアント端末の管理をサーバ側で集中管理できるため、運用の効率化を図れる。

リモートデスクトップ型のデメリットは、以下のとおりである。

  • 操作感の低下

クライアント端末のハードウェア性能によって、操作感に差が生じる可能性がある。

  • 拡張性の低下

クライアント端末の機能や性能を拡張することが難しい。

ネットブート型

ネットブート型は、クライアント端末にOSイメージをダウンロードし、起動して利用する方式である。

クライアント端末は、キーボードやマウスなどの入力デバイスと、ディスプレイなどの出力デバイスのみを備える。OSやアプリケーションは、起動時にサーバからダウンロードして利用する。

ネットブート型のメリットは、以下のとおりである。

  • コスト削減

クライアント端末のハードウェアやOS、アプリケーションの購入・運用コストを削減できる。

  • セキュリティの向上

クライアント端末に重要なデータを保存しないため、セキュリティリスクを低減できる。

  • 拡張性の高さ

クライアント端末の機能や性能を拡張することが容易。

ネットブート型のデメリットは、以下のとおりである。

  • ネットワーク帯域の確保

OSイメージのダウンロードに必要なネットワーク帯域を確保する必要がある。

  • 端末の性能要件

OSイメージのダウンロードやアプリケーションの実行に必要な性能を備えた端末が必要。

プリントサーバー型

プリントサーバー型は、プリンターなどの周辺機器をサーバ側に集約する方式である。

クライアント端末は、プリンターを直接接続する必要がないため、端末の管理が容易になる。

プリントサーバー型のメリットは、以下のとおりである。

  • 運用の効率化

プリンターの管理をサーバ側で集中管理できるため、運用の効率化を図れる。

  • セキュリティの向上

プリンターなどの周辺機器にデータを保存しないため、セキュリティリスクを低減できる。

プリントサーバー型のデメリットは、以下のとおりである。

  • 初期投資コスト

プリンターなどの周辺機器をサーバ側に集約するために、初期投資コストがかかる。

  • ネットワーク帯域の確保

プリントデータの送受信に必要なネットワーク帯域を確保する必要がある。

シンクライアントの種類ごとの特徴を理解することで、自社に適したシステムかどうか判断することができる。

シンクライアントのメリット

シンクライアントは、クライアント端末に必要最小限の処理をさせ、ほとんどの処理をサーバ側に集中させたシステムである。そのメリットは、以下のとおりである。

コスト削減

クライアント端末のハードウェアやOS、アプリケーションの購入・運用コストを削減できる。

クライアント端末は、キーボードやマウスなどの入力デバイスと、ディスプレイなどの出力デバイスのみを備えるため、ハードウェアの性能やスペックが低くても問題ない。また、アプリケーションはサーバ側で実行するため、クライアント端末にアプリケーションをインストールする必要がなく、アプリケーションの購入・運用コストを削減できる。

セキュリティの向上

クライアント端末に重要なデータを保存しないため、セキュリティリスクを低減できる。

クライアント端末にデータを保存しないため、端末の紛失や盗難による情報漏洩のリスクを低減できる。また、マルウェア感染による情報漏洩のリスクも低減できる。

運用の効率化

クライアント端末の管理をサーバ側で集中管理できるため、運用の効率化を図れる。

クライアント端末のOSやアプリケーションのアップデート、セキュリティパッチの適用などの管理をサーバ側で集中管理できるため、管理者の負担を軽減できる。また、クライアント端末の故障や障害が発生した場合も、サーバ側から端末を再起動したり、新しい端末を配布したりすることで、業務への影響を最小限に抑えることができる。

シンクライアントのデメリット

シンクライアントは、クライアント端末に必要最小限の処理をさせ、ほとんどの処理をサーバ側に集中させたシステムである。そのデメリットは、以下のとおりである。

ネットワークの安定性が必要

クライアント端末とサーバ側のネットワークが安定していなければ、業務に支障をきたす可能性がある。

クライアント端末とサーバ側は、ネットワークで接続されているため、ネットワークの安定性が重要である。ネットワークが不安定な場合、画面の表示が遅れたり、アプリケーションの操作に支障をきたしたりする可能性がある。

クライアント端末の性能に制限がある

アプリケーションの実行やデータの処理は、すべてサーバ側で行うため、クライアント端末の性能に制限がある。

クライアント端末は、キーボードやマウスなどの入力デバイスと、ディスプレイなどの出力デバイスのみを備えるため、処理能力が低い。そのため、高性能なアプリケーションや、複雑な処理を必要とする業務には不向きである。

導入コストがかかる

サーバなどのインフラを構築する必要があるため、導入コストがかかる。

シンクライアントを導入するためには、サーバやネットワーク機器などのインフラを構築する必要がある。そのため、初期投資コストがかかる。また、運用コストもかかるため、導入を検討する際には、これらのコストを十分に考慮する必要がある。

拡張性の低下

クライアント端末の機能や性能を拡張することが難しい。

クライアント端末は、キーボードやマウスなどの入力デバイスと、ディスプレイなどの出力デバイスのみを備えるため、機能や性能を拡張することが難しい。そのため、業務内容の変化に合わせて、クライアント端末を変更する必要がある。

シンクライアントの代表的なサービス

リモートデスクトップサービス

リモートデスクトップサービスは、クライアント端末からサーバ側の仮想デスクトップにアクセスして、デスクトップ環境を利用するサービスである。

VDI(Virtual Desktop Infrastructure)

VDIは、仮想デスクトップを提供するインフラ全体を指す言葉である。

クラウド型シンクライアント

クラウド型シンクライアントは、サーバやネットワーク機器などのインフラをクラウドサービスとして利用するサービスである。

まとめ

シンクライアントは、クライアント端末の機能を最小限に抑え、サーバ側で処理を集中させることで、コスト削減やセキュリティの向上、運用の効率化などのメリットを実現できるシステムである。しかし、ネットワークの安定性やクライアント端末の性能に制限があるなどのデメリットもあるため、導入にあたっては、これらの点を考慮する必要がある。

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