RDPとは、Remote Desktop Protocolの略で、リモートデスクトップ接続を実現するためのプロトコルである。リモートデスクトップとは、離れた場所にあるコンピュータの画面を、自分のコンピュータから操作する技術のことである。
RDPは、WindowsやLinux、Mac OSなど、さまざまなOSでサポートされている。また、サーバーソフトウェアやアプリケーションソフトウェアにもRDP機能を提供するものがある。
RDPの概要
RDPは、以下の3つの要素から構成される。
RDPでは、これらの要素を組み合わせることで、離れた場所にあるコンピュータの画面を自分のコンピュータから操作できるようにする。
RDPの機能
画面の表示
RDPによる画面の表示は、ビデオ圧縮技術を用いることで、高品質かつ低遅延で実現される。ビデオ圧縮技術には、以下の種類がある。
- JPEG:静止画像の圧縮に適した技術
- MPEG:動画の圧縮に適した技術
- H.264:高品質な動画の圧縮に適した技術
RDPでは、これらの技術を組み合わせることで、高品質かつ低遅延で画面を表示する。
キーボードやマウスの操作
RDPによるキーボードやマウスの操作は、リアルタイムでリモートコンピュータに反映される。そのため、リモートコンピュータの画面を、自分のコンピュータからあたかも目の前にあるかのように操作することができる。
RDPでは、キーボードやマウスの操作を、以下の方法でリモートコンピュータに反映する。
- キーストローク転送:キーボードの入力を、キーストロークとしてリモートコンピュータに転送する。
- マウスカーソル転送:マウスの位置や動きを、マウスカーソルとしてリモートコンピュータに転送する。
ファイルの転送
RDPによるファイルの転送は、ドラッグ&ドロップやコピー&ペーストなどの操作で簡単に行うことができる。ドラッグ&ドロップでは、ファイルやフォルダをリモートコンピュータと自分のコンピュータの間でドラッグするだけで、簡単に転送することができる。コピー&ペーストでは、ファイルやフォルダをリモートコンピュータと自分のコンピュータの間でコピーしてペーストするだけで、簡単に転送することができる。
プリンターの共有
RDPによるプリンターの共有は、ネットワークプリンターとして認識されるため、通常のプリンターと同じように利用することができる。そのため、リモートコンピュータのプリンターを、自分のコンピュータから簡単に利用することができる。
RDPの機能は、バージョンによって拡張されている。最新バージョンのRDP 10では、以下の機能が追加されている。
- 高精細な画面表示:4Kや8Kなどの高精細な画面を表示できる。
- 音声の転送:リモートコンピュータと自分のコンピュータの間で、音声を転送できる。
- コラボレーション機能:複数のユーザーでリモートコンピュータを共同で操作できる。
RDPは、さまざまな用途に応用できる便利な技術である。RDPの機能を理解することで、より効果的にリモートデスクトップを活用することができる。
RDPの活用例
遠隔操作
RDPは、離れた場所にあるコンピュータを自分のコンピュータから操作できるため、ITサポートやテレワークなどに活用される。
ITサポート
ITサポート担当者は、RDPを使って顧客のコンピュータを遠隔から操作することで、迅速に問題を解決できる。例えば、顧客のコンピュータにログインして、画面を見ながら操作方法を教えたり、ソフトウェアのインストールや設定を行ったりして、顧客のITトラブルを解決することができる。
テレワーク
テレワーカーは、RDPを使って会社のコンピュータを自宅や出先から操作することで、オフィスにいるのと同様に仕事をすることができる。例えば、自宅でリモートデスクトップ接続を使って会社のコンピュータにログインし、メールやファイルの閲覧・作成、業務アプリケーションの利用などを行うことができる。
サポート
教師は、RDPを使って生徒のコンピュータを遠隔から操作することで、個別指導や実習指導を効率的に行うことができる。例えば、生徒のコンピュータでプログラムを実行しながら、その動作を説明したり、生徒が操作に困っているところをサポートしたりすることができる。
教育
企業や大学などの教育機関では、RDPを使って遠隔講義や遠隔実習を行うことができる。例えば、企業の研修で、社員が自宅や出先から講義を受講したり、大学で、学生が自宅から実験や実習に参加したりすることができる。
コラボレーション
RDPを使って複数のユーザーでリモートコンピュータを共同で操作することで、コラボレーションを効率的に行うことができる。例えば、プロジェクトチームで、複数のユーザーが同じコンピュータにログインして、共同で資料を作成したり、アプリケーションを操作したりすることができる。
RDPは、さまざまな用途に応用できる便利な技術である。RDPの活用例を理解することで、より効果的にリモートデスクトップを活用することができる。
RDPの設定方法
RDPを利用するためには、まずリモート接続したいコンピュータ(以下、ホストコンピュータ)と、リモート接続を行うコンピュータ(以下、クライアントコンピュータ)の両方にRDPの設定を行う必要がある。
ホストコンピュータの設定
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リモートデスクトップの有効化
ホストコンピュータの「システム」設定を開き、「リモートデスクトップ」を選択する。「リモートデスクトップ」をオンに設定することで、リモート接続を受け付ける準備ができる。
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ユーザーアカウントの設定
リモート接続を行うユーザーアカウントに、リモート接続の許可を与える必要がある。具体的には、「ユーザーアカウント」コントロールパネルを開き、リモート接続したいユーザーアカウントを選択して、「プロパティ」を開く。「リモートデスクトップ」タブで、「このコンピュータからのリモート接続を許可する」にチェックを入れる。
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ファイアウォールの設定
クライアントコンピュータの設定
RDPのツール
標準のRDPクライアント
WindowsやLinuxなどのOSには、標準のRDPクライアントが用意されている。標準のRDPクライアントは、インストールや設定が簡単で、基本的なリモートデスクトップ接続を行うことができる。
代表的なツールは以下の通り。
- Windows:リモートデスクトップ接続
- Linux:Remmina、xrdp
- Mac OS:Microsoft Remote Desktop
サードパーティ製のRDPクライアント
サードパーティ製のRDPクライアントには、標準のRDPクライアントにはない機能を備えたものもある。例えば、複数の画面を表示したり、複数のコンピュータに同時に接続したり、ファイルの転送やプリンターの共有を簡単に行ったりすることができる。
代表的なツールは以下の通り。
- TeamViewer
- AnyDesk
- Splashtop
クラウドベースのRDPサービス
クラウドベースのRDPサービスでは、インターネット経由でリモートデスクトップ接続を行うことができる。クラウドベースのRDPサービスは、場所やデバイスを問わず、リモートデスクトップ接続を行うことができる。
代表的なツールは以下の通り。
- Amazon WorkSpaces
- Microsoft Azure Virtual Desktop
- Google Cloud Platform Remote Desktop
RDPの注意点
RDPは、便利な技術である一方で、セキュリティ上のリスクも存在する。RDPを利用する際には、以下の点に注意してセキュリティ対策を講じることが重要である。
パスワードの強度
RDPは、パスワードによって認証を行う。パスワードは、長さ8文字以上で、大文字・小文字・数字・記号を組み合わせたものにするなど、強力なものを設定することが重要である。
暗号化のレベル
RDPは、画面の表示内容やキーボード・マウスの操作などのデータを暗号化して転送する。暗号化のレベルは、使用する環境に合わせて適切に設定する必要がある。
ファイアウォールの設定
RDPは、TCPポート3389を使用している。ファイアウォールでRDPのポートを開ける場合は、必要なポートのみを開けるように設定する必要がある。
その他
RDPを利用する際には、以下の点にも注意する必要がある。