ゼロデイ攻撃とは?種類や対策などをわかりやすく解説

ゼロデイ攻撃とは、ソフトウェアの脆弱性を悪用したサイバー攻撃の一種である。




ゼロデイ攻撃の概要

ゼロデイとは、「0日」を意味し、脆弱性が発見されてから、その脆弱性を解消するための対策が提供されるまでの期間を指す。この期間中に攻撃が行われるため、ゼロデイ攻撃と呼ばれる。

ゼロデイ攻撃は、攻撃者が脆弱性を発見した時点で、まだ対策が提供されていないため、被害を防ぐことが難しい。そのため、ゼロデイ攻撃は、サイバー攻撃の中でも最も深刻な脅威の一つとされている。

ゼロデイ攻撃の種類

ゼロデイ攻撃には、以下の種類がある。

1. 脆弱性発見前の攻撃

このタイプの攻撃は、攻撃者が脆弱性を最初に発見し、その脆弱性を悪用する方法で攻撃を行う。そのため、攻撃者は、脆弱性に関する情報を独占できるというメリットがある。

このタイプの攻撃を防ぐためには、ソフトウェアの脆弱性を常に監視し、脆弱性が見つかった場合は、速やかに修正パッチを適用することが重要である。

2. 脆弱性発見直後の攻撃

このタイプの攻撃は、脆弱性が公表された直後に、その脆弱性を悪用して攻撃を行う。そのため、攻撃者は、脆弱性の修正パッチが公開される前に攻撃を行うことができるというメリットがある。

このタイプの攻撃を防ぐためには、脆弱性が公表されたら、速やかに修正パッチを適用することが重要である。また、脆弱性の修正パッチが適用されるまでの間、ファイアウォールやIPSなどのセキュリティ対策を強化することも有効である。

3. 脆弱性修正後も続く攻撃

このタイプの攻撃は、脆弱性の修正パッチが公開された後も、その脆弱性を悪用して攻撃を行う。そのため、攻撃者は、脆弱性の修正パッチが適用されていないシステムや、修正パッチを適用できないシステムを狙うことができるというメリットがある。

このタイプの攻撃を防ぐためには、脆弱性の修正パッチを適用するだけでなく、システムのセキュリティ対策を強化することも重要である。

4. ゼロデイ攻撃と組み合わせた攻撃

このタイプの攻撃は、ゼロデイ攻撃と、他の攻撃手法を組み合わせて行う。そのため、攻撃者は、より深刻な被害をもたらすことができる。

このタイプの攻撃を防ぐためには、ゼロデイ攻撃だけでなく、他の攻撃手法についても対策を講じることが重要である。

ゼロデイ攻撃の被害例

1. 2021年7月のKaseya VSAへの攻撃

2021年7月、IT管理ツール「Kaseya VSA」へのゼロデイ攻撃が発生した。この攻撃により、世界中の企業や組織のシステムが被害を受けた。被害を受けた企業や組織は、システムの復旧に数週間から数ヶ月を要し、大きな経済的損失を被った。

2. 2020年12月のMicrosoft Exchangeへの攻撃

2020年12月、Microsoft Exchange Serverへのゼロデイ攻撃が発生した。この攻撃により、世界中の政府機関や企業のシステムが被害を受けた。被害を受けたシステムは、マルウェアに感染し、機密情報の漏洩やシステムの改ざんなどの被害を受けた。

3. 2017年のWannaCry攻撃

2017年5月、ランサムウェア「WannaCry」によるゼロデイ攻撃が発生した。この攻撃により、世界中の150以上の国と地域で約200万台以上のコンピューターが被害を受けた。被害を受けたコンピューターは、身代金の支払いを要求する画面が表示され、使用できなくなった。

ゼロデイ攻撃の対策

ゼロデイ攻撃の被害を未然に防ぐためには、以下の対策を講じることが重要である。

1. ソフトウェアの脆弱性を常に監視する

脆弱性が公表される前に、攻撃者が脆弱性を悪用する可能性もある。そのため、ソフトウェアの脆弱性を常に監視し、脆弱性が見つかった場合は、速やかに修正パッチを適用する必要がある。

ソフトウェアの脆弱性を監視するためには、脆弱性情報提供サイトやセキュリティ情報ポータルサイトなどを活用するとよい。

2. システムのセキュリティ対策を強化する

脆弱性の修正パッチが適用されるまでの間、ファイアウォールやIPSなどのセキュリティ対策を強化することで、ゼロデイ攻撃の被害を軽減することができる。

ファイアウォールやIPSは、不正なアクセスや攻撃を検知し、遮断する機能を持つ。また、アンチウイルスソフトやEDRなどのセキュリティソフトを導入することで、マルウェア感染の被害を防ぐことができる。

3. 情報セキュリティ教育を実施する

従業員がセキュリティ意識を高め、不審なメールやファイルを開かないようにするなど、セキュリティ対策に協力することが重要である。

情報セキュリティ教育では、ゼロデイ攻撃の脅威や、対策方法などを周知徹底する必要がある。

ゼロデイ攻撃は、いつどこで発生するかわからない。そのため、万全の対策を講じることが重要である。

まとめ

ゼロデイ攻撃とは、ソフトウェアの脆弱性を悪用したサイバー攻撃の一種である。ゼロデイ攻撃は、対策が難しいため、被害を最小限に抑えることが重要である。そのためには、ソフトウェアの脆弱性を常に監視し、脆弱性が見つかった場合は、速やかに修正パッチを適用するとともに、システムのセキュリティ対策を強化することが重要である。

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