IaaSとは?メリットや活用例などをわかりやすく解説

IaaS(Infrastructure as a Service)とは、クラウドコンピューティングの3つのサービスモデルのひとつで、仮想化技術を利用してハードウェアリソース(CPU/メモリ/ストレージ)などのデジタルインフラをインターネット経由でオンデマンドで提供するサービスである。




IaaSの概要

IaaSは、クラウドコンピューティングの3つのサービスモデルの中で、最も基礎的なサービスモデルである。IaaSでは、サーバーやストレージ、ネットワークなどのハードウェアリソースを、インターネット経由で必要な時に必要なだけ利用することができる。

IaaSの利用により、企業は従来のように自社でハードウェアを用意し、運用やメンテナンスをする必要がなくなる。これにより、コスト削減や運用負荷の軽減、迅速なシステム構築や拡張などが実現できる。

IaaSのメリット

初期費用の削減

IaaSでは、サーバーやストレージなどのハードウェアを自社で用意する必要がないため、初期費用を削減することができる。例えば、従来は、サーバーやストレージなどのハードウェアを自社で用意する場合、数百万円から数千万円の初期費用がかかっていた。しかし、IaaSを利用することで、初期費用を数十万円から数百万円程度に抑えることができる。

運用・保守の負担軽減

IaaSでは、サーバーやストレージなどのハードウェアの運用・保守をクラウド事業者が行うため、自社で行う必要がなく、負担を軽減することができる。例えば、従来は、サーバーやストレージなどのハードウェアの運用・保守を自社で行う場合、専門の技術者を雇用する必要があり、人件費や教育費などのコストがかかっていた。しかし、IaaSを利用することで、これらのコストを削減することができる。

スケーラビリティの向上

IaaSでは、利用状況に合わせてリソースを柔軟に増減することができるため、スケーラビリティを向上させることができる。例えば、従来は、サーバーやストレージなどのハードウェアを自社で用意する場合、利用状況に合わせてリソースを増減するためには、ハードウェアを追加購入する必要があった。しかし、IaaSを利用することで、利用状況に合わせてリソースを柔軟に増減することができるため、コストを抑えつつ、利用状況の変化に対応することができる。

災害対策の強化

IaaSでは、複数の地域にデータセンターを配置している場合、災害発生時に別の地域のデータセンターに切り替えてサービスを継続することができるため、災害対策を強化することができる。例えば、従来は、災害対策として、自社で複数の地域にデータセンターを用意する場合、多額の投資が必要であった。しかし、IaaSを利用することで、複数の地域にデータセンターを用意するコストを抑えつつ、災害対策を強化することができる。

IaaSは、初期費用の削減や運用・保守の負担軽減、スケーラビリティの向上、災害対策の強化など、さまざまなメリットがある。そのため、近年、多くの企業でIaaSの導入が進んでいる。

IaaSの活用例

IaaSは、さまざまな用途に活用されている。以下に、IaaSの活用例をいくつか挙げる。

  • Webシステムの構築・運用

IaaSは、Webシステムの構築・運用に活用されている。IaaSを利用することで、Webサーバーやデータベースなどのインフラを、必要な時に必要なだけ利用することができるため、コストを抑えながら、Webシステムを構築・運用することができる。

  • データベースの構築・運用

IaaSは、データベースの構築・運用にも活用されている。IaaSを利用することで、データベースサーバーやストレージなどのインフラを、必要な時に必要なだけ利用することができるため、コストを抑えながら、データベースを構築・運用することができる。

  • ビッグデータの分析

IaaSは、ビッグデータの分析にも活用されている。IaaSを利用することで、ビッグデータの分析に必要な大規模な計算リソースを、必要な時に必要なだけ利用することができるため、ビッグデータの分析を効率的に行うことができる。

  • 仮想デスクトップ環境の構築

IaaSは、仮想デスクトップ環境の構築にも活用されている。IaaSを利用することで、仮想デスクトップ環境に必要なサーバーやストレージなどのインフラを、必要な時に必要なだけ利用することができるため、コストを抑えながら、仮想デスクトップ環境を構築することができる。

  • クラウドネイティブアプリケーションの開発・運用

IaaSは、クラウドネイティブアプリケーションの開発・運用にも活用されている。クラウドネイティブアプリケーションとは、クラウド環境を前提に設計・開発されたアプリケーションであり、IaaSを利用することで、クラウドネイティブアプリケーションを効率的に開発・運用することができる。

  • IoTシステムの構築・運用

IaaSは、IoTシステムの構築・運用にも活用されている。IaaSを利用することで、IoTシステムに必要なセンサーやデバイスなどのインフラを、必要な時に必要なだけ利用することができるため、IoTシステムを柔軟に構築・運用することができる。

IaaSの代表的なサービス

  • 仮想マシン(VM)サービス

VMサービスは、ハードウェアの仮想化技術を利用して、物理サーバー上に複数の仮想サーバー(VM)を作成・管理することができるサービスである。VMサービスを利用することで、利用状況に合わせてVMを増減したり、VMのスペックを変更したりすることができるため、スケーラビリティを向上させることができる。

  • ストレージサービス

ストレージサービスは、データを保存するためのストレージを提供するサービスである。ストレージサービスには、ブロックストレージ、ファイルストレージ、オブジェクトストレージなど、さまざまな種類がある。ブロックストレージは、OSやアプリケーションなどのデータを保存するのに適している。ファイルストレージは、ファイルやフォルダなどのデータを保存するのに適している。オブジェクトストレージは、大量のデータを保存するのに適している。

  • ネットワークサービス

ネットワークサービスは、ネットワークを提供するサービスである。ネットワークサービスには、インターネット接続サービス、VPNサービス、ファイアウォールサービスなど、さまざまな種類がある。インターネット接続サービスは、インターネットに接続するためのサービスを提供する。VPNサービスは、プライベートネットワークを仮想的に構築するためのサービスを提供する。ファイアウォールサービスは、不正アクセスやマルウェアの侵入を防ぐためのサービスを提供する。

  • データベースサービス

データベースサービスは、データベースを提供するサービスである。データベースサービスには、リレーショナルデータベースサービス、NoSQLデータベースサービスなど、さまざまな種類がある。リレーショナルデータベースサービスは、従来から利用されているデータベースの形式である。NoSQLデータベースサービスは、リレーショナルデータベースとは異なる形式のデータベースである。

  • コンピューティングサービス

コンピューティングサービスは、計算リソースを提供するサービスである。コンピューティングサービスには、コンピュートサーバーサービス、GPUサーバーサービスなど、さまざまな種類がある。コンピュートサーバーサービスは、汎用的な計算リソースを提供する。GPUサーバーサービスは、グラフィック処理に特化した計算リソースを提供する。

IaaSの代表的なサービスは、上記に挙げたものだけではない。クラウド事業者によって、さまざまなサービスが提供されている。IaaSを導入する際には、自社のニーズに合ったサービスを選ぶことが重要である。

IaaSの課題

IaaSは、以下の課題もある。

  • セキュリティの確保

IaaSでは、サーバーやストレージなどのインフラをクラウド事業者が提供するため、セキュリティの確保が課題となる。クラウド事業者のセキュリティ対策に依存するため、自社でセキュリティ対策を実施するよりも、セキュリティリスクが高くなる可能性がある。

  • 可用性の確保

IaaSでは、クラウド事業者のデータセンターを利用するため、データセンターの障害が発生した場合、サービスが停止する可能性がある。そのため、可用性の確保が課題となる。

  • 運用管理の複雑化

IaaSでは、サーバーやストレージなどのインフラをクラウド事業者が提供するため、自社で運用管理を行う必要がなくなる。しかし、クラウド事業者から提供されるサービスの利用方法や、セキュリティ対策などを理解する必要があり、運用管理が複雑化する可能性がある。

  • コストの増加

IaaSでは、利用状況に合わせてリソースを増減することができるため、コストを抑えることができる。しかし、利用状況を適切に把握して、リソースを適切に管理しないと、コストが増加する可能性がある。

まとめ

IaaSは、クラウドコンピューティングの普及とともに、今後もますます利用が拡大していくと予想されている。

IaaSのメリットであるコスト削減や運用負荷の軽減は、企業にとって大きな魅力である。また、IaaSの利用により、企業はITの専門知識やスキルを必要とせずに、迅速かつ柔軟にシステムを構築・運用することができるようになる。

今後、IaaSは、より多くの企業や組織で活用されるようになると期待されている。

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