バックアップとは?種類などをわかりやすく解説

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バックアップとは、ハードディスクなどの記憶装置に保存されたデータを別の装置や記憶媒体へ複製して別に保管することである。これは、機器の故障や破損、人為ミス、不正行為などによってデータの消失や改変などが起こった場合に、複製した時点のデータに復旧させることができるようにするための措置である。




バックアップの必要性

ITリテラシーの高い人にとって、データ消失は深刻な問題である。ハードディスクの故障、人為ミス、不正アクセス、自然災害など、データ消失はさまざまな原因で起こり得る。バックアップを取っていなければ、失われたデータを復元することは非常に困難であり、以下のような損失が発生する可能性がある。

業務の停止

重要な業務データが消失すると、業務が停止してしまう可能性がある。例えば、顧客情報や取引データなどが消失すると、営業活動や顧客対応などが行えなくなり、大きな損失につながる。

経済的な損失

経済的な損失も大きな問題である。例えば、製品開発データや研究データなどが消失すると、開発や研究がやり直しとなり、時間とコストが大幅に増加する。

信頼の失墜

顧客データや社員情報などが消失すると、企業や組織の信頼が失墜する可能性がある。これは、企業イメージの悪化や顧客離れにつながる。

このように、データ消失は企業や組織にとって大きなリスクである。バックアップは、これらのリスクを軽減し、事業継続性を確保するために不可欠な対策である。

バックアップの種類

バックアップには、大きく分けて以下の3つの種類がある。

フルバックアップ

フルバックアップは、対象となるすべてのデータを複製するバックアップ方法である。最も時間がかかり、必要なストレージ容量も大きくなるが、最も確実にデータを復元できる。

フルバックアップは、以下のような場合に適している。

  • 最初のバックアップを取る場合
  • システムやデータの構成が大きく変更された場合
  • 長期間データにアクセスしない場合

差分バックアップ

差分バックアップは、前回バックアップ後から変更されたデータのみを複製するバックアップ方法である。フルバックアップよりも時間がかからず、必要なストレージ容量も少ない。

差分バックアップは、以下のような場合に適している。

  • フルバックアップを定期的に行っている場合
  • データの更新頻度が高い場合
  • ストレージ容量が限られている場合

ただし、差分バックアップを利用するには、前回バックアップが必須となる。また、複数の差分バックアップを適用することで、最新の状態に復元できるが、復元作業が複雑になる場合もある。

増分バックアップ

増分バックアップは、前回のバックアップ後から最新の状態までのすべてのデータを複製するバックアップ方法である。差分バックアップよりも時間がかかり、必要なストレージ容量も大きくなるが、復元作業が容易である。

増分バックアップは、以下のような場合に適している。

  • データの更新頻度が高い場合
  • 復元作業を容易にしたい場合

ただし、増分バックアップを利用するには、前回バックアップが必須となる。また、データの更新履歴がすべて保存されるため、ストレージ容量が大きくなる場合もある。

バックアップの方法

バックアップには、さまざまな方法がある。ここでは、代表的な方法をいくつか紹介する。

ローカルバックアップ

ローカルバックアップとは、外部記憶装置などのローカルなストレージにデータをバックアップする方法である。ローカルバックアップには、以下のような方法がある。

  • 外付けハードディスク

    • 手軽に接続できる
    • 大容量のデータもバックアップできる
  • USBメモリ

    • 持ち運びが容易
    • 小容量のデータのバックアップに適している
  • NAS

    • ネットワーク経由でアクセスできる
    • 複数人でデータを共有できる

クラウドバックアップ

クラウドバックアップとは、インターネット経由でクラウドストレージにデータをバックアップする方法である。クラウドバックアップのメリットとデメリットは以下の通り。

  • メリット

    • オフサイトバックアップになる
    • 複数台のパソコンからデータにアクセスできる
    • 自動バックアップ機能が利用できる
  • デメリット

    • インターネット接続が必要
    • 費用がかかる場合がある
    • データの転送速度が遅い場合がある

その他の方法

上記以外にも、以下のようなバックアップ方法がある。

  • イメージバックアップ

    • システム全体をイメージファイルとしてバックアップする方法
    • システム復旧が容易
  • 仮想化

    • 仮想マシンを作成してバックアップする方法
    • テスト環境などに利用できる

バックアップの代表的なツール

バックアップには、さまざまなツールが利用できる。ここでは、代表的なツールをいくつか紹介する。

個人向けツール

Acronis True Image

Acronis True Imageは、個人向けのバックアップツールとして人気の高いソフトウェアである。有料ツールであるが、イメージバックアップやファイルバックアップなど、さまざまな機能を搭載しており、日本語版も提供されている。

EaseUS Todo Backup

EaseUS Todo Backupは、無料版と有料版が用意されている個人向けバックアップツールである。シンプルな操作で使いやすく、日本語版も提供されている。無料版では基本的なバックアップ機能が利用でき、有料版では高度な機能が利用できる。

Veeam Backup & Replication Community Edition

Veeam Backup & Replication Community Editionは、仮想マシン向けの無料バックアップツールである。仮想環境を簡単にバックアップすることができ、日本語版も提供されている。

法人向けツール

Arcserve Unified Data Protection

Arcserve Unified Data Protectionは、データセンターや仮想環境向けのバックアップツールである。スケーラビリティやセキュリティに優れており、大規模な環境でも安心して利用できる。

NetBackup

NetBackupは、大規模な環境向けのバックアップツールである。幅広い機能と高いパフォーマンスを誇り、エンタープライズ環境で広く利用されている。

Symantec Backup Exec

Symantec Backup Execは、中小規模企業向けのバックアップツールである。使いやすく、コストパフォーマンスが高い点が特徴である。

クラウドバックアップサービス

Google Drive

Google Driveは、Googleが提供するクラウドストレージサービスである。無料で15GBまでのデータをバックアップすることができ、複数台のパソコンからデータにアクセスできる。

Dropbox

Dropboxは、広く利用されているクラウドストレージサービスである。無料で2GBまでのデータをバックアップすることができ、ファイル共有機能が充実している。

OneDrive

OneDriveは、Microsoftが提供するクラウドストレージサービスである。Microsoftアカウントと連携して利用することができ、無料で1TBまでのデータをバックアップできる。Office 365と連携して利用することもできる。

まとめ

バックアップは、データ消失を防ぎ、事業継続性を確保するために不可欠な対策である。ITリテラシーの高い人は、バックアップの重要性を理解し、適切なバックアップ対策を講じる必要がある。

バックアップの方法や種類、ツールは、様々である。どのようなバックアップ方法を選択するかは、データの重要性、更新頻度、ストレージ容量などを考慮して決定する必要がある。

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