NICとは?種類などをわかりやすく解説

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NICは、Network Interface Cardの略称で、パソコンなどの機器に搭載される拡張カードのことである。




NICの機能

1. ネットワーク機器との接続

LANケーブルや光ケーブルなどの物理的な接続を介し、ネットワーク機器とパソコンを繋ぐ。ネットワーク機器には、ルータやスイッチなどの機器が含まれる。

NICは、ネットワーク機器との接続に必要な電気信号の送受信を行う。具体的には、以下の処理を行う。

  • 信号の変換: パソコンが扱うデジタル信号を、ネットワーク機器が扱う電気信号に変換する。
  • 物理層アドレスの付与: 送信するデータに、NIC固有の物理層アドレス(MACアドレス)を付与する。
  • メディアアクセス制御: 複数の機器がネットワークに接続されている場合、衝突を回避するためのメディアアクセス制御を行う。

2. データ送受信の制御

送信されるデータパケット化、エラーチェック、アドレス付けなどを行い、ネットワーク上の通信を円滑に制御する。

具体的には、以下の処理を行う。

  • パケット化: 送信されるデータを、適切なサイズのパケットに分割する。
  • エラーチェック: 送受信されるデータにエラーがないことを確認する。
  • アドレス付け: 送信するデータに、宛先となる機器のネットワークアドレスを付与する。
  • ルーティング: 送信するデータを、適切な宛先へ導くためのルーティング情報を処理する。
  • アクセス制御: 送信するデータが、アクセス権を持っているかどうかを判断する。

3. ネットワーク設定の保存

IPアドレスサブネットマスクなどのネットワーク設定を保存し、適切な通信環境を維持する。

ネットワーク設定は、NIC内部のEEPROMなどの不揮発性メモリに保存される。これにより、パソコンを再起動しても、ネットワーク設定が保持される。

NICは、これらの機能を組み合わせることで、パソコンをネットワークに接続し、データ通信を可能にする。

NICの種類

イーサネットNIC

イーサネットNICは、最も普及しているタイプのNICであり、家庭用やオフィス向けのネットワークに最適だ。10Mbpsから100Gbpsまでの高速通信に対応しており、安定した通信が可能である。

イーサネットNICには、以下の種類がある。

  • RJ-45コネクタ: 最も一般的なタイプのイーサネットNICで、LANケーブルを接続する。
  • SFPコネクタ: 光ファイバーケーブルを接続できるイーサネットNICである。
  • Mini PCIeコネクタ: 小型のマザーボードに搭載されるイーサネットNICである。

Wi-Fi NIC

Wi-Fi NICは、無線LANでネットワークに接続できるNICである。ケーブル配線が不要で、ノートパソコンやスマートフォンなどに多く搭載されている。

Wi-Fi NICには、以下の種類がある。

  • IEEE 802.11a/b/g: 最も一般的なタイプのWi-Fi NICで、2.4GHz帯で通信する。
  • IEEE 802.11n: 2.4GHz帯と5GHz帯の両方に対応したWi-Fi NICで、高速通信が可能である。
  • IEEE 802.11ac: 5GHz帯で通信するWi-Fi NICで、さらに高速な通信が可能である。

光ファイバーNIC

光ファイバーNICは、光ケーブルでネットワークに接続できるNICである。高速かつ安定した通信が可能で、企業やデータセンター向けのネットワークに適している。

光ファイバーNICには、以下の種類がある。

  • SFPコネクタ: 光ファイバーケーブルを直接接続する光ファイバーNICである。
  • SFP+コネクタ: より高速な通信に対応した光ファイバーNICである。
  • QSFPコネクタ: 40Gbpsの高速通信に対応した光ファイバーNICである。

NICの設定

主な設定手順には、ドライバインストールIPアドレスの割り当て、DNSサーバーの設定が含まれる。

1. ドライバインストール

まず、NICのドライバインストールする必要がある。これは、対象となるオペレーティングシステムによって異なるが、多くの場合、メーカーから提供されるセットアップファイルを使用して行われる。ドライバが正しくインストールされていない場合、デバイスは正常に機能しない。

2. IPアドレスの設定

IPアドレスは、ネットワーク上のデバイスが互いに識別し、通信を行うための番号である。IPアドレスは、静的に手動で割り当てる方法と、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)を使用して自動的に割り当てる方法がある。静的IPの設定は、IPアドレスの重複を避けるためにネットワークの管理者が行うことが多い。一方、DHCPを利用すると、デバイスはネットワークに接続するたびに自動的にIPアドレスを取得する。

3. DNSサーバーの設定

DNSサーバーは、ドメイン名をIPアドレスに変換する役割を持つ。この設定を適切に行うことで、インターネット上のサイト名を入力するだけで、対応するサーバーとの通信が可能になる。

これらの設定を正しく行うことで、ネットワークの安定性と通信の効率が大きく向上する。特にビジネス環境や大規模なネットワークでは、これらの設定がシステム全体のパフォーマンスに直接影響を及ぼすため、慎重に実施する必要がある。

NICとMACアドレスの関係

MACアドレス(Media Access Control Address)は、NICに固有に割り当てられた識別番号である。NICは、MACアドレスを格納するEEPROMなどのメモリを備えており、このメモリに固有のMACアドレスが保存されている。

NICを交換すると、MACアドレスも変更される。これは、NICに格納されているMACアドレスが変更されるためである。

近年では、プライバシー保護の観点から、MACアドレスを偽装する機能を備えたNICも存在する。しかし、MACアドレス偽装機能を使用すると、ネットワーク機器でのアクセス制御などの機能が正しく動作しなくなる場合があるため注意が必要である。

まとめ

NICは、ネットワークと機器を繋ぐための重要なコンポーネントである。ネットワーク機器との接続、データ送受信の制御、ネットワーク設定の保存など、様々な機能を担い、ネットワーク通信において不可欠な役割を果たす。

NICの種類や選び方、設定方法などを理解することで、ネットワーク環境をより効果的に構築することができる。

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