画像認識とは、画像に写っている物体や文字、シーンなどをコンピュータが認識する技術である。
画像認識の仕組み
画像認識は、大きく分けて「特徴抽出」と「分類」の2つの処理からなる。
特徴抽出
特徴抽出では、画像から色や形などの特徴を抽出する。特徴抽出の方法には、以下のような手法がある。
- エッジ抽出:画像のエッジ(輪郭)を抽出する。
- 特徴点抽出:画像の特徴的な点(エッジや角、対称性などの点)を抽出する。
- 特徴量抽出:特徴点の位置や大きさ、色などの特徴量を抽出する。
分類
分類では、抽出した特徴を元に、画像に写っている物体や文字、シーンなどを判別する。分類の方法には、以下のような手法がある。
画像認識の種類
物体認識
画像に写っている物体を認識する技術である。例えば、自動運転車の車両検知や歩行者検知、顔認証、商品の棚卸しなど、さまざまな分野で活用されている。
文字認識
画像に写っている文字を認識する技術である。例えば、OCR(光学式文字認識)や手書き文字の認識など、さまざまな分野で活用されている。
顔認識
画像に写っている顔を認識する技術である。例えば、本人確認やアクセス制御、マーケティングなど、さまざまな分野で活用されている。
シーン認識
画像のシーン(場所や状況)を認識する技術である。例えば、地図アプリや自動運転、監視カメラなど、さまざまな分野で活用されている。
これらの種類は、さらに細かく分類することができる。例えば、物体認識は、
- 一般物体認識:さまざまな物体を認識する
- 特定物体認識:特定の物体のみ認識する
に分類される。
また、文字認識は、
- 手書き文字認識:手書きの文字を認識する
- 印刷文字認識:印刷された文字を認識する
に分類される。
画像認識の活用例
画像認識は、さまざまな分野で活用されている。ここでは、その中から代表的な事例をいくつか紹介する。
自動運転
自動運転では、車両や歩行者、障害物などの認識が重要である。画像認識技術を用いることで、カメラで撮影した画像からこれらの対象物を認識し、自動運転車の安全な走行を支援することができる。
例えば、トヨタ自動車は、自社の自動運転車「LQ」に、画像認識技術を活用した「LiDAR(ライダー)」を搭載している。LiDARは、レーザー光線を照射して反射光を捉えることで、周囲の環境を3Dで認識することができる。これにより、車両や歩行者、障害物などの認識精度を向上させ、自動運転の安全性を高めている。
生体認証
生体認証では、指紋や顔などの生体情報を用いて、本人の識別を行う。画像認識技術を用いることで、これらの生体情報を画像から認識し、本人確認やアクセス制御などに活用することができる。
例えば、Appleは、iPhoneやiPadに搭載した指紋認証機能「Touch ID」に、画像認識技術を活用している。Touch IDでは、指紋の画像から特徴を抽出し、その特徴を照合することで、本人かどうかを判断する。
商品棚卸し・検品
商品棚卸しや検品では、大量の商品を効率的に処理することが求められる。画像認識技術を用いることで、カメラで撮影した画像から商品の種類や数量を自動的に認識し、棚卸しや検品を自動化することができる。
例えば、Amazonは、物流センターで画像認識技術を活用して、商品の棚卸しや検品を自動化している。Amazonでは、商品のバーコードを読み取ることで、商品の種類と数量を認識し、データベースに記録している。
病理画像の診断
病理画像の診断では、医師の経験と判断が不可欠である。しかし、画像認識技術を用いることで、病理画像から病変を自動的に検出したり、病気の種類を推定したりすることができる。
例えば、富士フイルムは、病理画像の診断を支援する画像認識ソフトウェア「FUJIFILM DR ASSIST」を開発している。DR ASSISTでは、病理画像から病変を自動的に検出し、病変の種類を推定する。これにより、医師の診断を支援し、診断の精度と効率を向上させることができる。
画像認識の今後の展望
画像認識は、近年のAI技術の進歩により、精度が向上し、活用範囲が拡大している。今後は、さらに精度が向上し、より複雑な画像の認識が可能になると期待されている。また、画像認識と他の技術を組み合わせることで、より高度なアプリケーションが開発されると考えられる。
例えば、画像認識とAI技術を組み合わせることで、自動運転車の安全性をさらに向上させたり、生体認証の精度を向上させたりすることができる。また、画像認識とAR/VR技術を組み合わせることで、新たなエンターテインメントや教育などの分野での活用が期待されている。
画像認識は、今後もさまざまな分野で活用されていくと考えられる。
まとめ
画像認識は、画像に写っている物体や文字、シーンなどをコンピュータが認識する技術である。さまざまな分野で活用されており、今後は、さらに精度が向上し、より複雑な画像の認識が可能になると期待されている。また、画像認識と他の技術を組み合わせることで、より高度なアプリケーションが開発されると考えられる。
例えば、画像認識とAI技術を組み合わせることで、自動運転車の安全性をさらに向上させたり、生体認証の精度を向上させたりすることができる。また、画像認識とAR/VR技術を組み合わせることで、新たなエンターテインメントや教育などの分野での活用が期待されている。
画像認識は、今後もさまざまな分野で活用されていくと考えられる。