APIファーストとは?特徴やメリット・活用例をわかりやすく解説

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APIファーストとは、APIアプリケーションプログラミングインターフェース)をサービス開発の中心とし、その周りにアプリケーションを構築する開発手法である。




APIファーストの概要

APIファーストのアプローチでは、APIを開発の初期段階から設計し、APIを介して外部からサービスや機能を提供することを前提にソフトウェアを開発する。これにより、以下のようなメリットが得られる。

  • ソフトウェアの再利用性や拡張性が向上する
  • ソフトウェア開発の効率化やスピードアップが図れる
  • 新しいビジネスやサービスの創出が容易になる

APIファーストが注目されるようになった背景には、以下の2つの要因が挙げられる。

クラウドコンピューティングの普及により、アプリケーションの開発や実行をクラウド上で行うことが一般的になった。クラウド上でアプリケーションを開発する際は、APIを介してクラウドサービスと連携することが必要である。

モバイルデバイスの普及により、アプリケーションはさまざまなデバイスで利用されるようになった。デバイスごとにアプリケーションを開発すると、開発コストや運用コストがかさむ。APIファーストであれば、APIを介してデバイスの種類に依存しないアプリケーションを開発することができる。

APIファーストの特徴

システムの疎結合

APIファーストでは、システムの機能をAPIとして切り出して、各システムが独立して開発を行う。これにより、システム間の依存関係を低減し、システムの疎結合化を実現することができる。

例えば、WebアプリケーションとバックエンドシステムをAPIで連携する場合、Webアプリケーションはバックエンドシステムの詳細な構造を意識する必要がなく、APIのインターフェースのみを意識して開発することができる。これにより、Webアプリケーションとバックエンドシステムの分離を容易にし、システムの変更や拡張を容易にすることができる。

将来的な拡張性の向上

APIファーストでは、システムの拡張性を考慮してAPIを設計する。これにより、将来的な拡張に対応しやすくなる。

例えば、顧客情報の管理を行うAPIを作成した場合、このAPIを拡張して、顧客の属性や行動履歴などの情報を追加することができる。これにより、将来的なビジネスの変化にも柔軟に対応することができる。

柔軟性と拡張性

APIを最初に設計することで、様々なデバイスやプラットフォームからのアクセスに対応できる柔軟なシステムを構築できる。また、新しい機能やサービスを容易に追加することができ、システムの拡張性を高めることができる。

再利用性

APIを独立したモジュールとして設計することで、異なるアプリケーションやサービス間で再利用することができる。これにより、開発効率を向上させ、コードの保守性を高めることができる。

APIファーストのメリット

開発速度の向上

APIを事前に設計しておくことで、UIやデータベースなどの開発と並行して開発を進めることができる。これにより、開発全体の速度を向上させることができる。

コミュニティの形成

APIを公開することで、開発者コミュニティを形成することができる。コミュニティのメンバーは、APIを利用したアプリケーションやサービスを開発することで、システム全体の価値を高めることができる。

ビジネスチャンスの拡大

APIを公開することで、自社の製品やサービスを外部の開発者に提供することができる。これにより、新たなビジネスチャンスを獲得することができる。

セキュリティの強化

APIを適切に設計することで、システム全体のセキュリティを強化することができる。

データ分析の促進

APIを通じてデータを収集・分析することで、ビジネスに役立つ知見を得ることができる。

APIファーストの活用例

マイクロサービスアーキテクチャ

マイクロサービスアーキテクチャは、システムを小さな単位のソフトウェアサービス(マイクロサービス)に分割して構築するアーキテクチャである。APIファーストは、マイクロサービスアーキテクチャを採用する際に、APIを先行して設計・開発することで、マイクロサービスの連携を容易にし、システム全体の柔軟性と拡張性を高める効果がある。

 APIの公開

APIを外部に公開することで、自社のシステムやサービスを他社のサービスと連携させることができる。APIファーストは、APIの公開を前提とした設計・開発を行うことで、APIの品質やセキュリティを向上させ、外部からの信頼性を得ることができる。

APIの再利用

APIを再利用することで、開発コストや運用コストを削減することができる。APIファーストは、APIを再利用しやすいように設計・開発を行うことで、APIの活用範囲を広げ、ビジネス価値を高めることができる。

APIファーストのデメリット

APIファーストには、以下のデメリットがある。

初期の設計コストがかかる

APIファーストでは、APIを最初に設計する必要があるため、初期の設計コストがかかる。また、APIの設計は、フロントエンドとバックエンドの両方を考慮して行う必要があるため、設計が複雑になる。

APIドキュメントの作成が必要

APIファーストでは、APIを公開して外部から利用できるようにする場合、APIドキュメントの作成が必要となる。APIドキュメントの作成には、時間と労力が必要となる。

APIの品質管理が必要

APIファーストでは、APIの品質管理が重要となる。APIの品質が低いと、フロントエンドやバックエンドの開発に影響を与える可能性がある。

APIのセキュリティ対策が必要

APIファーストでは、APIのセキュリティ対策が重要となる。APIが不正に利用されると、システムの改ざんや情報漏洩などの被害につながる可能性がある。

このように、APIファーストには、初期の設計コストやAPIドキュメントの作成など、いくつかのデメリットがある。しかし、これらのデメリットを克服することで、APIファーストによるメリットを享受することができる。

APIファーストを導入する際には、これらのデメリットを理解した上で、導入のメリットとデメリットを比較検討することが重要である。

まとめ

APIファーストは、APIを組織の重要なビジネス資産として捉え、APIの設計と開発を優先するアプローチである。APIファーストには、開発の効率化と品質向上、ビジネスチャンスの創出、システムの拡張性と柔軟性の向上などのメリットがある。APIファーストは、近年注目されているアプローチであり、今後もその適用例は拡大していくと考えられる。

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