Web3.0とは?特徴やメリット・活用例をわかりやすく解説

Web3.0とは、分散型台帳技術(DLT)を基盤とした次世代のインターネットの概念である。

Web1.0、Web2.0に続く第3世代のインターネットとして、ユーザーがデータの所有権や管理権をより自律的に行えるようにすることを目的としている。




Web3.0までの歴史

Web1.0

Web1.0とは、静的なWebページが中心のインターネットの時代である。Web1.0では、ユーザーは、Webページの閲覧や、掲示板への書き込みなどの、受け身の利用が中心であった。

Web2.0

Web2.0とは、ユーザーがコンテンツを作成・共有できるインターネットの時代である。Web2.0では、ブログやSNSなどの登場により、ユーザーがコンテンツを作成・共有することが容易になった。また、ソーシャルメディアの普及により、ユーザー同士のコミュニケーションが活発になった。

Web3.0

Web3.0は、ブロックチェーン技術や人工知能などの技術を活用して、よりオープンで分散型のインターネットを目指す概念である。Web3.0では、ユーザーがデータの所有権や管理権を持つことができるようになる。また、分散型のシステムにより、データの改ざんや漏洩などのリスクが軽減される。

Web3.0の概念が登場したのは、1990年代後半から2000年代にかけてである。この時期には、ブロックチェーン技術や人工知能などの技術が登場し、Web3.0の実現に向けた研究が始まった。

Web3.0の普及が本格的に始まったのは、2010年代後半以降である。この時期には、ブロックチェーン技術や人工知能などの技術が急速に発展し、Web3.0を実現するための基盤が整った。

Web3.0の特徴

Web1.0やWeb2.0とは、以下の3つの点で大きく異なる。

ユーザー主導

Web3.0では、ブロックチェーン技術によって、ユーザーがデータの所有権や管理権を持つことができるようになる。これにより、ユーザーは、自分のデータの活用方法を自ら選択することができるようになる。例えば、自分のデータを第三者に販売したり、データの利用に同意したり、データの利用を拒否したりすることができるようになる。

分散型

Web3.0では、中央集権的な管理者が存在せず、ユーザー同士でデータを共有・管理する。これにより、特定の企業や組織によってデータが独占されることを防ぐことができる。また、データの改ざんや漏洩などのリスクを軽減することができる。

自動化

Web3.0では、ブロックチェーン技術や人工知能などの技術を活用することで、自動化が進む。これにより、ユーザーは、複雑な手続きをせずに、さまざまなサービスを利用することができるようになる。例えば、スマートコントラクトによって、自動で契約を締結したり、決済をしたりすることができるようになる。

Web3.0のメリット

Web3.0の導入により、以下のメリットが期待される。

  • ユーザーの利便性向上

ユーザーは、自分のデータの所有権や管理権を持ち、データの活用方法を自ら選択できるようになることで、利便性が向上する。また、分散型のシステムにより、データの改ざんや漏洩などのリスクを軽減することができる。

  • データの活用の拡大

ユーザーがデータの所有権や管理権を持つことで、企業や組織は、ユーザーから直接データを収集できるようになる。これにより、データの活用の拡大が期待される。

  • 新たなサービスやビジネスの創出

ブロックチェーン技術や人工知能などの技術を活用することで、新たなサービスやビジネスの創出が期待される。例えば、スマートコントラクトを活用した、自動化されたサービスやビジネスが登場することが考えられる。

Web3.0の具体的な活用例。

分散型ID

分散型IDとは、ブロックチェーン技術を活用して、ユーザーのIDを管理する技術である。分散型IDを活用することで、ユーザーは、自分のIDを自ら管理・利用することができるようになる。

例えば、分散型IDを活用したサービスとして、MetaMaskWalletConnectなどが挙げられる。MetaMaskは、イーサリアムブロックチェーン上のアプリケーションを利用するために必要なウォレットアプリである。WalletConnectは、MetaMaskなどのウォレットアプリを、さまざまなアプリケーションと接続するためのプロトコルである。

分散型ストレージ

分散型ストレージとは、ブロックチェーン技術を活用して、データを分散して保存する技術である。分散型ストレージを活用することで、データの改ざんや漏洩などのリスクを軽減することができる。

例えば、分散型ストレージを活用したサービスとして、IPFSFilecoinなどが挙げられる。IPFSは、分散型ファイルシステムである。Filecoinは、IPFS上のデータを保存するためのストレージサービスである。

分散型アプリケーション

分散型アプリケーションとは、ブロックチェーン技術を活用して、中央集権的な管理者を必要としないアプリケーションである。分散型アプリケーションを活用することで、ユーザーがアプリケーションの所有権や管理権を持つことができるようになる。

例えば、分散型アプリケーションを活用したサービスとして、DeFiNFTなどが挙げられる。DeFiとは、分散型金融の略称であり、中央集権的な金融機関を必要としない金融サービスを指す。NFTとは、非代替性トークンの略称であり、デジタルデータに唯一無二の価値を付与する技術である。

Web3.0の課題

Web3.0の導入には、以下の課題もある。

  • 技術の複雑さ

ブロックチェーン技術や人工知能などの技術は、まだ発展途上にあり、複雑である。そのため、Web3.0のシステムを理解し、利用するためのハードルが高い。

  • セキュリティリスク

ブロックチェーン技術は、データの改ざんが困難であるというメリットがある一方で、セキュリティリスクも存在する。例えば、ハッキングによって、ブロックチェーン上のデータを盗まれる可能性がある。

  • 法整備の遅れ

Web3.0の導入には、法律の整備が必要である。しかし、現時点では、Web3.0を規制する法律は十分に整備されていない。そのため、Web3.0の導入が、新たな法律問題を引き起こす可能性がある。

まとめ

Web3.0は、ブロックチェーン技術や人工知能などの技術を活用した、よりオープンで分散型のインターネットの概念である。Web3.0の導入により、ユーザーの利便性向上や、データの活用の拡大、新たなサービスやビジネスの創出などが期待される。しかし、技術の複雑さやセキュリティリスク、法整備の遅れなどの課題もある。

 Web3.0はまだ発展途上にあり、具体的なサービスやアプリケーションは限られている。しかし、ブロックチェーンや暗号資産などの技術が急速に発展していることから、今後Web3.0の普及が進むと予想されている。
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