ビジュアルプログラミングとは、プログラムをテキストではなく、視覚的なオブジェクトで記述するプログラミングの一種である。
ビジュアルプログラミングのメリット
ビジュアルプログラミングのメリットは、大きく以下の4つが挙げられる。
誰でも簡単にプログラミングを始められる
ビジュアルプログラミングでは、テキストを書く必要がないため、プログラミングの知識や経験がなくても、直感的な操作でプログラムを作成することができる。そのため、子どもやプログラミング初心者でも、簡単にプログラミングの基礎を学ぶことができる。
学習コストが低い
ビジュアルプログラミングでは、テキストプログラミングに比べて学習コストが低い。テキストプログラミングでは、プログラミング言語の文法や構文を学ぶ必要があるが、ビジュアルプログラミングでは、それらの知識を必要としない。そのため、短期間でプログラミングの基礎を身につけることができる。
バグのリスクを減らすことができる
テキストプログラミングでは、1文字でも間違えるとバグが発生する可能性がある。しかし、ビジュアルプログラミングでは、あらかじめ用意された図形やブロックを組み合わせてプログラムを作成するため、バグのリスクを減らすことができる。
論理的思考力が身につく
ビジュアルプログラミングでは、プログラムを作成するために、順序立てて考えることが必要である。そのため、ビジュアルプログラミングの学習を通じて、論理的思考力が身につく。
ビジュアルプログラミングのデメリット
ビジュアルプログラミングは、プログラミングの基礎を身につけることや、プログラミングの楽しさを体験することに適した方法であるが、デメリットも存在する。
1. 表現力や拡張性に劣る
ビジュアルプログラミングは、テキストプログラミングに比べて、表現力や拡張性に劣る。そのため、複雑な処理や、自由度の高いプログラムを作成することが難しい。
2. プログラムの修正に時間がかかる
ビジュアルプログラミングでは、プログラムの修正を行う際に、ブロックや線を再配置する必要が生じる。そのため、テキストプログラミングに比べて、プログラムの修正に時間がかかる。
3. 本格的な開発には向いていない
ビジュアルプログラミングは、本格的な開発には向いていない。そのため、ゲームやWebアプリケーションなどの本格的な開発を行う際には、テキストプログラミングのスキルが必要となる。
ビジュアルプログラミングは、プログラミングの基礎を身につけることや、プログラミングの楽しさを体験することに適した方法である。しかし、本格的な開発や、複雑な処理や、自由度の高いプログラムの作成には向いていない。
ビジュアルプログラミングの種類
ビジュアルプログラミングには、大きく分けて以下の3つの種類がある。
ブロックタイプ
ブロックタイプは、最も一般的なビジュアルプログラミングの種類である。あらかじめ用意されたブロックを組み合わせて、プログラムを作成していく。ブロックには、条件分岐や繰り返し、変数などの処理が記述されており、それらを組み合わせることで、複雑なプログラムも作成することができる。
ブロックタイプの代表的なツールとしては、ScratchやApp Inventorなどが挙げられる。
フロータイプ
フロータイプは、ブロックタイプとは異なり、線や矢印でプログラムの流れを表現する。線には、条件分岐や繰り返しなどの処理が記述されており、矢印でその流れをつなげていく。フロータイプは、ブロックタイプに比べて、視覚的にプログラムの流れを把握しやすいという特徴がある。
フロータイプの代表的なツールとしては、AliceやFlowgorithmなどが挙げられる。
独自ルールタイプ
独自ルールタイプは、ブロックタイプやフロータイプとは異なり、独自のルールでプログラムを作成していく。独自ルールタイプは、ブロックタイプやフロータイプに比べて、直感的にプログラムを作成しやすいという特徴がある。
独自ルールタイプの代表的なツールとしては、ViscuitやSpringin’などが挙げられる。
それぞれの種類には、以下のような特徴がある。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| ブロックタイプ | ブロックを組み合わせてプログラムを作成するため、直感的な操作でプログラムを作成できる。 |
| フロータイプ | 線や矢印でプログラムの流れを表現するため、視覚的にプログラムの流れを把握しやすい。 |
| 独自ルールタイプ | 独自のルールでプログラムを作成するため、直感的にプログラムを作成しやすい。 |
ビジュアルプログラミングの活用例
ビジュアルプログラミングの活用例
ビジュアルプログラミングは、子どものプログラミング教育や、趣味や仕事での活用など、さまざまな場面で活用されている。
子どものプログラミング教育
ビジュアルプログラミングは、子どものプログラミング教育に最適な方法である。ブロックを組み合わせてプログラムを作成するため、直感的な操作でプログラミングの基礎を学ぶことができる。また、ゲームやアニメーションなど、子どもの興味を引くようなコンテンツを作成することで、楽しみながらプログラミングを学ぶことができる。
趣味や仕事での活用
ビジュアルプログラミングは、趣味や仕事での活用にも広まっている。簡単なゲームやWebサイト、ロボット制御など、さまざまなものを作成することができる。また、テキストプログラミングの入門として活用することもできる。
ビジュアルプログラミングの代表的な製品
ビジュアルプログラミングには、さまざまな製品が存在する。その中でも、代表的な製品としては、以下のようなものが挙げられる。
Scratch
Scratchは、MITメディアラボが開発した、ブロックタイプによるビジュアルプログラミング言語である。ブロックを組み合わせて、ゲームやアニメーション、音楽作品などを作成することができる。子どもやプログラミング初心者に人気のツールであり、世界中で多くの人が利用している。
App Inventor
App Inventorは、Googleが開発した、ブロックタイプによるビジュアルプログラミングツールである。Androidアプリを作成することができる。プログラミングの知識や経験がなくても、簡単にオリジナルのアプリを作成することができる。
Alice
Aliceは、マサチューセッツ工科大学（MIT）が開発した、フロータイプによるビジュアルプログラミングツールである。ゲームやアニメーションを作成することができる。視覚的にプログラムの流れを把握しやすいという特徴がある。
Flowgorithm
Flowgorithmは、スロベニアのソフトウェア会社であるSmartInventが開発した、フロータイプによるビジュアルプログラミングツールである。プログラムの流れを線や矢印で表現し、その流れをつなげていく。
Viscuit
Viscuitは、アメリカのソフトウェア会社であるThe Learning Companyが開発した、独自ルールタイプによるビジュアルプログラミングツールである。イラストやアニメーションを作成することができる。直感的にプログラムを作成しやすいという特徴がある。
Springin’
Springin’は、アメリカのソフトウェア会社であるSpringin’ LLCが開発した、独自ルールタイプによるビジュアルプログラミングツールである。音楽やゲーム、アニメーションなどを作成することができる。直感的にプログラムを作成しやすいという特徴がある。
これらの製品は、それぞれに特徴や強みがある。目的や対象に合わせて、最適な製品を選択するとよいだろう。
まとめ
ビジュアルプログラミングは、初心者でも簡単にプログラミングを学べる、論理的思考力が身につく、プログラムの可視化が容易といったメリットがある。教育やビジネスなど、さまざまな分野で活用されている。