近年、ランサムウェアによる被害が急増している。2022年のランサムウェア被害額は、前年比170%増の200億米ドルを超えたと推定される。ランサムウェアは、個人や企業を問わず、誰もが被害に遭う可能性がある。
ランサムウェアの被害
ランサムウェアに感染すると、以下の被害を受ける可能性がある。
ファイルの暗号化
ランサムウェアに感染した端末のファイルは、暗号化されて使用不能になる。暗号化されたファイルは、復号化プログラムがないと復号することができない。
暗号化されたファイルには、個人情報や仕事の資料など、さまざまなデータが含まれる可能性がある。暗号化されたファイルが復号できなければ、これらのデータが失われることになる。
金銭の要求
ランサムウェアの攻撃者は、ファイルを復号するための復号鍵を、身代金の支払いと引き換えに要求する。身代金の金額は、数万円から数千万円に及ぶこともある。
身代金を支払っても、復号鍵が送られてこないケースや、復号したファイルが破損しているケースもある。また、身代金を支払ったとしても、攻撃者がさらなる要求を行うケースもある。
業務の停止
ランサムウェアに感染すると、業務に必要なファイルが使用不能になるため、業務が停止する可能性がある。業務の停止は、企業や組織の社会的信用や経済的損失につながる。
また、ランサムウェアに感染したことが公表されると、顧客や取引先からの信頼を失う可能性がある。
サイバー攻撃の被害
ランサムウェアに感染した端末は、攻撃者の遠隔操作が可能になる。攻撃者は、感染した端末を踏み台として、他の端末やネットワークへのサイバー攻撃を仕掛ける可能性がある。
サイバー攻撃の被害は、情報漏洩やシステム障害など、さまざまなものがある。
ランサムウェアの種類
暗号化型
暗号化型ランサムウェアは、感染した端末のファイルを暗号化し、その復号化鍵を要求する。復号化鍵は、攻撃者が保有しており、身代金を支払った場合にのみ提供される。
暗号化型ランサムウェアは、最も一般的なランサムウェアの種類であり、個人や企業を問わず被害に遭っている。
画面ロック型
画面ロック型ランサムウェアは、感染した端末の画面をロックし、その解除と引き換えに金銭を要求する。画面ロックは、パスワードやPINコードの入力、または指紋認証などで解除することができる。
画面ロック型ランサムウェアは、暗号化型ランサムウェアよりも被害が軽微であるため、近年増加傾向にある。
ランサムウェアの感染経路
ランサムウェアとは、コンピューターやスマートフォンなどの端末に感染し、ファイルを暗号化して使用不能にした上で、その復号化と引き換えに金銭を要求するマルウェアの一種である。
ランサムウェアの感染経路は、大きく分けて以下の3つがある。
メール
メールに添付されたファイルを開くことで、ランサムウェアに感染するケースが最も多く見られる。
メールの件名や本文に、興味を引くような内容や、不安や恐怖を煽るような内容が記載されていることが多い。
添付ファイルの拡張子も、画像や文書ファイルなど、普段からよく使用するファイルの拡張子になっていることが多い。
不審なメールや、身に覚えのないメールに添付されたファイルは、開かないように注意する必要がある。
Webサイト
Webサイトにアクセスすることで、ランサムウェアに感染するケースもある。
Webサイトに埋め込まれた悪意のあるコードを実行することで、ランサムウェアに感染する。
また、Webサイトからダウンロードしたファイルにランサムウェアが仕込まれているケースもある。
信頼できないWebサイトや、身に覚えのないWebサイトからダウンロードしたファイルは、開かないように注意する必要がある。
USBメモリやSDカード
USBメモリやSDカードにランサムウェアが仕込まれており、それをパソコンやスマートフォンに接続することで、ランサムウェアに感染するケースもある。
ランサムウェアの対策
1. 最新のセキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に保つ
セキュリティソフトは、ランサムウェアなどのマルウェアを検知・駆除する機能を持つ。最新のセキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に保つことで、ランサムウェアの感染を未然に防ぐことができる。
2. 不審なメールやファイルを開かない
メールに添付されたファイルを開くことで、ランサムウェアに感染するケースが最も多く見られる。不審なメールや、身に覚えのないメールに添付されたファイルは、開かないように注意する必要がある。
メールの件名や本文に、興味を引くような内容や、不安や恐怖を煽るような内容が記載されている場合は、特に注意が必要である。
また、Webサイトにアクセスすることでも、ランサムウェアに感染する可能性がある。信頼できないWebサイトや、身に覚えのないWebサイトからダウンロードしたファイルは、開かないように注意する必要がある。
3. パスワードやPINコードを定期的に変更する
パスワードやPINコードが漏洩すると、ランサムウェアの攻撃者に悪用される可能性がある。パスワードやPINコードは、定期的に変更して、安全性を保つようにする必要がある。
4. バックアップを定期的に作成する
ランサムウェアに感染した場合、ファイルを復旧するためには、バックアップが必要になる。バックアップは、定期的に作成して、最新の状態を保つようにする必要がある。
また、クラウドサービスやNASなどの外部ストレージにバックアップを保存しておくことで、パソコンやスマートフォンが故障した場合でも、データを復旧することができる。
5. 最新の情報を入手し、常に警戒を怠らない
ランサムウェアは、常に新たな手口や亜種が登場している。最新の情報を入手し、常に警戒を怠らないようにすることが重要である。
また、セキュリティ関連のニュースや情報サイトを定期的にチェックしたり、セキュリティに関するセミナーや講座を受講したりすることで、ランサムウェアの最新動向を把握することができる。
ランサムウェアの被害を防ぐためには、上記の対策を講じることが重要である。また、これらの対策を組み合わせることで、より効果的にランサムウェアの被害を防ぐことができる。