PPAPとは?概要をわかりやすく解説

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PPAPは、Password付きZIPファイルを送信し、その後、パスワードを別途送信するというファイル共有方法である。

一見、セキュリティ対策をしているように見えるが、実際には多くのセキュリティリスクを抱えているため、近年では多くの企業や組織で利用が禁止されている。




PPAPの問題点

PPAPは、一見セキュリティ対策として有効に思えるかもしれないが、実際には多くの問題点を抱えている。これらの問題点は、セキュリティリスクの増加、業務効率の低下、そしてセキュリティ意識の低下に繋がりかねない。具体的にどのような問題点があるのか、詳しく見ていこう。

セキュリティリスクの増加

PPAP最大の懸念点は、セキュリティリスクの増加である。

  • パスワード漏洩のリスク:パスワードを別送するという手法自体が、パスワード漏洩のリスクを高める。メールの誤送信や盗聴、フィッシングなどによってパスワードが第三者に渡ってしまう可能性は常に存在する。
  • マルウェア感染のリスクZIPファイルは、マルウェアを隠蔽する手段として悪用されるケースが多い。受信者は、パスワード付きZIPファイルだから安全だと誤解し、セキュリティ対策ソフトによるチェックを怠ってしまう可能性がある。
  • ZIPファイルの脆弱性ZIPファイルの暗号化方式自体に脆弱性がある場合があり、比較的容易にパスワードを解読されてしまう可能性もある。

このように、PPAPはセキュリティ対策として機能しているようで、実際には多くのセキュリティリスクを抱えている。

業務効率の低下

PPAPは、業務効率を低下させる要因にもなる。

  • 手間と時間:ZIPファイルの作成、パスワードの設定、パスワードを記載したメールの送信、受信側の解凍作業など、PPAPには多くの手間と時間がかかる。
  • ファイル容量の増加:ZIPファイルに圧縮することでファイル容量は削減できるものの、それでも添付ファイルとして送信するには容量が大きくなり、メール送信に時間がかかったり、エラーが発生したりする可能性がある。
  • ストレージ容量の圧迫:送受信したPPAPのファイルをそれぞれ保管しておく必要があるため、ストレージ容量を圧迫する。

これらの手間や時間のロスは、業務効率の低下に直結する。

セキュリティ意識の低下

PPAPのような形式的なセキュリティ対策は、かえって利用者のセキュリティ意識を低下させる可能性がある。

  • 誤った安心感:「パスワードを設定しているから安全」という誤った安心感を与え、他のセキュリティ対策を怠ってしまう可能性がある。
  • セキュリティ対策の軽視:PPAPのような簡易的な対策だけでセキュリティ対策が完了したと錯覚し、より重要なセキュリティ対策を軽視してしまう可能性がある。

真のセキュリティ対策には、PPAPのような形式的な対策だけでなく、総合的なセキュリティ意識の向上が不可欠である。

PPAPの代替手段

オンラインストレージサービス

近年、多くの企業で導入が進んでいるのが、オンラインストレージサービスの活用である。Google Drive、OneDrive、Dropboxなど、様々なサービスが存在する。

  • メリット

    • ファイルへのアクセス権限を設定できるため、セキュリティレベルが高い。
    • ファイルのバージョン管理機能により、誤って上書き保存してしまった場合でも以前のバージョンに戻せる。
    • ストレージ容量が大きい。
    • どこからでもアクセスできるため、利便性が高い。
  • デメリット

    • サービスによっては、無料プランではストレージ容量が限られる場合がある。
    • インターネット環境が必要になる。

ファイル転送サービス

大容量ファイルを送信する必要がある場合は、ファイル転送サービスの利用が有効である。GigaFile便、firestorageなど、様々なサービスが提供されている。

  • メリット

    • 大容量ファイルを送信できる。
    • サービスによっては、ファイルの有効期限を設定できる。
    • パスワード設定など、セキュリティ対策機能を備えている。
  • デメリット

    • サービスによっては、無料プランでは利用できる機能が制限される場合がある。
    • ファイルの保管期間が限られている場合がある。

社内ファイル共有システム

社内ネットワーク上にファイル共有システムを構築する方法もある。

  • メリット

    • セキュリティレベルを高く設定できる。
    • 社内でのファイル共有に特化しているため、運用しやすい。
  • デメリット

    • 構築・運用にコストがかかる。
    • 社外とのファイル共有には不向きである。

メールセキュリティシステム

メールに特化したセキュリティ対策を施す方法もある。

  • メリット

    • 添付ファイルの暗号化やダウンロードリンク化など、様々なセキュリティ対策を施せる。
    • メール誤送信防止機能など、他のセキュリティ対策機能も利用できる。
  • デメリット

    • 導入・運用コストがかかる場合がある。

上記以外にも、ファイル暗号化ソフトや電子署名など、様々なセキュリティ対策を組み合わせることで、より安全なファイル共有を実現できる。重要なのは、PPAPに固執せず、セキュリティリスクと業務効率の両方を考慮した上で、最適なファイル共有方法を選択することである。

まとめ

PPAPは、セキュリティリスクが高く、業務効率を低下させるファイル共有方法である。多くの企業や組織で利用が禁止されているため、より安全な代替手段に移行することが重要である。オンラインストレージサービスやファイル転送サービスなど、PPAPの代替手段は数多く存在する。それぞれのサービスの特徴を理解し、自社の環境に合ったものを選択することが重要である。

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