ノーコード開発とは、プログラミングの知識やスキルがなくても、アプリケーションやWebサービスを開発できる手法である。
従来のアプリケーションやWebサービスの開発は、プログラミング言語を使ってソースコードを記述する必要があった。しかし、ノーコード開発では、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)や設定によって、直感的に操作しながら開発を行うことができる。
ノーコード開発は、ITエンジニア不足や、非IT人材によるデジタル化の推進といった課題を解決する可能性を秘めている。
ノーコード開発の種類
ノーコード開発は、大きく分けて以下の3つの種類に分類される。
1. ドラッグ&ドロップ型
ドラッグ&ドロップ型のノーコード開発は、あらかじめ用意されたパーツをドラッグ&ドロップで組み合わせて開発を行う手法である。最も一般的なノーコード開発の種類であり、プログラミングの知識やスキルがなくても、簡単にWebアプリケーションやモバイルアプリなどの開発を行うことができる。
2. ビジュアルプログラミング型
ビジュアルプログラミング型のノーコード開発は、ブロックを組み合わせて開発を行う手法である。ドラッグ&ドロップ型よりも、プログラミングの知識やスキルが必要な場合が多いが、より複雑な機能を実現することができる。
3. プロトタイピング型
プロトタイピング型のノーコード開発は、プロトタイプを作成するための手法である。ドラッグ&ドロップ型やビジュアルプログラミング型よりも、プログラミングの知識やスキルが必要な場合が多いが、より迅速にプロトタイプを作成することができる。
ノーコード開発のメリット
1. プログラミングの知識やスキルが不要
ノーコード開発では、プログラミングの知識やスキルが不要であるため、誰でも簡単にWebアプリケーションやモバイルアプリなどの開発を行うことができる。これにより、IT人材不足の解消や、業務の効率化・自動化などの効果が期待できる。
2. 開発コストの削減
ノーコード開発では、外部の開発会社に依頼するよりも、開発コストを削減することができる。これは、プログラミングの知識やスキルが不要であるため、社内の人員で開発を行うことができるためである。
3. 開発期間の短縮
ノーコード開発では、従来の開発方法よりも、開発期間を短縮することができる。これは、プログラミングの知識やスキルが不要であるため、開発プロセスが簡略化されるためである。
4. 柔軟な開発
ノーコード開発では、ドラッグ&ドロップやマウス操作など、直感的な操作で開発を行うことができるため、柔軟な開発が可能である。これは、プログラミングの知識やスキルが不要であるため、自由な発想で開発を行うことができるためである。
ノーコード開発は、まだ発展途上であるため、課題も存在する。例えば、カスタマイズ性の低さや、複雑なシステムの開発が難しいなどの課題が挙げられる。しかし、これらの課題は、技術の進歩によって解決されていくと考えられる。
ノーコード開発は、ITの民主化を実現する可能性を秘めた技術である。今後、ノーコード開発の活用がさらに進んでいくと考えられる。
ノーコード開発のデメリット
1. カスタマイズ性の低さ
ノーコード開発では、あらかじめ用意されたテンプレートや機能を組み合わせて開発を行うため、カスタマイズ性が低い。そのため、複雑な機能や独自の機能を追加したい場合は、プログラミングの知識やスキルが必要となる。
2. 複雑なシステムの開発が難しい
ノーコード開発では、プログラミングの知識やスキルが不要であるため、複雑なシステムの開発が難しい。そのため、大規模なシステムや、高性能なシステムを開発したい場合は、プログラミングの知識やスキルが必要となる。
3. セキュリティ面の懸念
ノーコード開発では、プログラミングの知識やスキルが不要であるため、セキュリティ面の懸念がある。そのため、セキュリティ対策を十分に講じることが重要である。
ノーコード開発は、まだ発展途上であるため、これらのデメリットは、技術の進歩によって解決されていくと考えられる。しかし、現時点では、これらのデメリットを認識した上で、ノーコード開発を活用することが重要である。
ノーコード開発の製品
ノーコード開発の製品は、大きく分けて以下の2種類に分類される。
1. クラウド型
クラウド型のノーコード開発製品は、インターネット上で提供される製品である。インターネットに接続できる環境があれば、どこからでも利用することができる。また、初期費用やランニングコストを抑えることができる。代表的な製品は以下の通り。
- Bubble
- Adalo
- Webflow
- Zoho Creator
2. オンプレミス型
オンプレミス型のノーコード開発製品は、自社でサーバーを構築して利用する製品である。クラウド型よりも、セキュリティやパフォーマンスの面で優れている。また、自社独自の機能や拡張機能を追加しやすい。代表的な製品は以下の通り。
- Microsoft Power Platform
- Google Cloud Platform AppSheet
- OutSystems
- Mendix
ノーコード開発とローコード開発の違い
また、類似の用語として「ローコード開発」がある。ノーコード開発とローコード開発は、どちらもプログラミングの知識やスキルがなくても、Webアプリケーションやモバイルアプリなどの開発を可能にする手法である。しかし、両者には明確な違いがある。
ノーコード開発
ノーコード開発とは、プログラミングの知識やスキルが不要で、直感的な操作でWebアプリケーションやモバイルアプリなどの開発を可能にする手法である。
ノーコード開発では、あらかじめ用意されたテンプレートや機能を組み合わせて開発を行うため、プログラミングの知識やスキルが不要である。そのため、誰でも簡単にWebアプリケーションやモバイルアプリなどの開発を行うことができる。
しかし、ノーコード開発では、カスタマイズ性が低く、複雑なシステムの開発が難しいというデメリットがある。
ローコード開発
ローコード開発とは、プログラミングの知識やスキルが不要または少ないで、Webアプリケーションやモバイルアプリなどの開発を可能にする手法である。
ローコード開発では、ノーコード開発と同様に、あらかじめ用意されたテンプレートや機能を組み合わせて開発を行う。しかし、ノーコード開発よりも、プログラミングの知識やスキルを必要とする機能や拡張機能を利用することができる。
そのため、ノーコード開発よりも、カスタマイズ性や複雑なシステムの開発が可能である。
ノーコード開発とローコード開発の違いを表にまとめると以下の通り。
項目 | ノーコード開発 | ローコード開発 |
---|---|---|
プログラミングの知識やスキルの必要性 | 不要 | 不要または少ない |
カスタマイズ性 | 低い | 高い |
複雑なシステムの開発の可否 | 難しい | 可能 |
ノーコード開発とローコード開発のどちらを選ぶかは、開発するシステムの目的や規模によって選ぶとよい。簡単なWebアプリケーションやモバイルアプリを開発する場合は、ノーコード開発が適している。カスタマイズ性の高いシステムや、複雑なシステムを開発する場合は、ローコード開発が適している。
まとめ
ノーコード開発は、プログラミングの知識やスキルがなくても、アプリケーションやWebサービスを開発できる手法である。短期間での開発やコスト削減が可能であるため、ITエンジニア不足や、非IT人材によるデジタル化の推進といった課題を解決する可能性を秘めている。