EADとは?メリットや活用例などをわかりやすく解説

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EADとは、アーカイブ資料のメタデータ標準である。

EADは、Encoded Archival Descriptionの略で、アーカイブ資料の構造や内容を記述するためのメタデータ標準である。EADは、XML(Extensible Markup Language)で記述されており、コンピュータで読み取りやすいため、アーカイブ資料のデジタル化や検索・利用に利用されている。




EADの概要

EADは、アーカイブ資料を階層構造で記述する。階層構造は、以下の3つの要素で構成される。

  • Unit of Description(単位記述):アーカイブ資料の単位を記述する。単位記述には、資料の種類、作成者、作成日、内容など、資料の基本的な情報を記述する。
  • File Unit(ファイル単位):単位記述に含まれるファイルや文書などの情報を記述する。ファイル単位には、ファイルの種類、作成者、作成日、内容など、ファイルの基本的な情報を記述する。
  • Descriptive Metadata(記述メタデータ):単位記述やファイル単位に含まれない、付加的な情報を記述する。記述メタデータには、資料の所在、利用条件、関連情報など、資料の理解や利用に役立つ情報を記述する。

EADのメリット

デジタルコンテンツの整理・管理を効率化する

EADは、デジタルコンテンツのタイトル、著者、作成日、更新日、言語、対象者、キーワードなどの情報を記述することができる。これらの情報を記述することで、教育機関は、デジタルコンテンツをより効果的に整理・管理することができる。

たとえば、EADのメタデータを用いて、デジタルコンテンツを以下の基準で整理・管理することができる。

  • コンテンツの種類(図書、雑誌、映像、音声など)
  • 対象者(学生、教職員、一般など)
  • テーマ
  • 作成日

EADを利用することで、教育機関は、デジタルコンテンツをより簡単に検索・閲覧することができる。

デジタルコンテンツの検索・閲覧を容易にする

EADは、デジタルコンテンツの検索・閲覧を容易にするために、以下の機能を提供している。

  • コンテンツのタイトルや著者などのキーワードによる検索
  • コンテンツの種類や対象者などの条件による検索
  • コンテンツの作成日による検索

EADを利用することで、教育機関は、ユーザーのニーズに合わせて、デジタルコンテンツをより簡単に検索・閲覧することができる。

デジタルコンテンツの共有を容易にする

EADは、デジタルコンテンツの共有を容易にするために、以下の機能を提供している。

  • デジタルコンテンツのURLXML形式のファイルを他の教育機関に提供
  • デジタルコンテンツを別のEADスキーマに変換

EADを利用することで、教育機関は、デジタルコンテンツをより簡単に他の教育機関と共有することができる。

デジタルコンテンツの教育利用を支援する

EADは、デジタルコンテンツの教育利用を支援するために、以下の機能を提供している。

  • デジタルコンテンツの教育用の目次や課題を作成
  • デジタルコンテンツを教育用に適した形式に変換

EADを利用することで、教育機関は、デジタルコンテンツをより効果的に教育に利用することができる。

これらのメリットにより、EADは、教育機関におけるデジタルコンテンツの利便性を向上させるために、非常に有効なツールであるといえる。

EADの活用例

EADの活用例としては、以下のようなものが挙げられる。

記録史料の検索・閲覧

EADで記述された記録史料は、インターネットや図書館などの検索システムで検索することができる。検索システムでは、EADで記述された記録史料のタイトル、作成者、作成年月、内容などの情報を検索条件として指定することができる。

例えば、ある図書館では、EADで記述された記録史料を検索システムで公開している。図書館のウェブサイトから検索システムにアクセスすると、タイトル、作成者、作成年月、内容などの情報を入力して検索することができる。検索結果は、検索条件に一致する記録史料のリストとして表示される。

このように、EADを活用することで、記録史料の検索を効率化することができる。

記録史料の共有

EADで記述された記録史料は、異なるアーカイブ間で共有することができる。共有するためには、EADで記述された記録史料を、共有するアーカイブのシステムにインポートする必要がある。

例えば、あるアーカイブは、EADで記述された記録史料を、国立公文書館のシステムにインポートしている。これにより、他のアーカイブでも、その記録史料を検索・閲覧することができるようになった。

このように、EADを活用することで、記録史料の共有を容易にすることができる。

記録史料の保存・管理

EADで記述された記録史料は、アーカイブシステムで管理することができる。アーカイブシステムでは、EADで記述された記録史料の情報を、体系的に管理することができる。

例えば、あるアーカイブは、EADで記述された記録史料を、自社開発のアーカイブシステムで管理している。アーカイブシステムでは、記録史料のタイトル、作成者、作成年月、内容などの情報を、データベースに登録して管理している。

このように、EADを活用することで、記録史料の保存・管理を効率化することができる。

EADの要素

EADで記述される記録史料の要素は、以下のようなものが挙げられる。

  • 基本要素
    • タイトル
    • 作成者
    • 作成年月
    • 内容
    • 言語
  • 拡張要素
    • 保存場所
    • 大きさ
    • 形状
    • 状態
    • 付属品

以下に、EADのサンプルを示す。

<ead>
  <eadheader>
    <eadid>ead-sample</eadid>
    <filedesc>
      <titleproper>EAD サンプル</titleproper>
      <author>Bard</author>
      <date>2024-01-28</date>
    </filedesc>
    <profiledesc>
      <eadidtype>EAD</eadidtype>
      <eadversion>EAD3</eadversion>
      <langcode>ja</langcode>
    </profiledesc>
  </eadheader>
  <archdesc>
    <did>
      <unittitle>EAD サンプル</unittitle>
      <unitid>unit-id</unitid>
      <unitdate>2024-01-28</unitdate>
      <physdesc>
        <dimensions>A4</dimensions>
        <format></format>
      </physdesc>
    </did>
    <dsc>
      <scopecontent>
        EAD のサンプルです。
      </scopecontent>
      <appraisal>
        この記録史料は、EAD の記述方法を理解するために重要です。
      </appraisal>
      <arrangement>
        この記録史料は、タイトル順に整理されています。
      </arrangement>
      <accessrestrict>
        この記録史料は、公に公開されています。
      </accessrestrict>
      <userestrict>
        この記録史料は、営利目的で使用することはできません。
      </userestrict>
    </dsc>
  </archdesc>
</ead>

このサンプルでは、以下の要素が記述されている。

  • 基本要素
    • タイトル:EAD サンプル
    • 作成者:Bard
    • 作成年月:2024-01-28
    • 内容:EAD のサンプル
    • 言語:日本語
  • 拡張要素
    • 保存場所:なし
    • 大きさ:A4
    • 形状:紙
    • 状態:良好
    • 付属品:なし

EADの課題

メタデータの記述が煩雑である

EADは、メタデータの要素が豊富であるため、メタデータの記述が煩雑であるという課題がある。メタデータの記述が煩雑であるため、デジタルコンテンツの作成者や管理者は、EADの導入に抵抗感を示すこともある。

EADを理解する専門家が少ない

EADは、複雑な仕様であるため、EADを理解する専門家が少ないという課題がある。EADを理解する専門家が少ないため、EADの導入や運用に困難を感じる教育機関も多い。

EADの普及が遅れている

EADは、1999年に開発されたにもかかわらず、EADの普及が遅れているという課題がある。EADの普及が遅れているため、EADを活用したデジタルコンテンツの利便性を向上させることが難しい。

これらの課題を解決するためには、以下の取り組みが必要である。

1. メタデータの記述を簡素化する

EADのメタデータの要素を減らすなどして、メタデータの記述を簡素化する必要がある。メタデータの記述が簡素化されることで、デジタルコンテンツの作成者や管理者の負担を軽減することができる。

2. EADの理解を促進する

EADの仕様をわかりやすく解説するなどして、EADの理解を促進する必要がある。EADの理解が促進されることで、EADの導入や運用のハードルを下げることができる。

3. EADの普及を支援する

EADの導入や運用を支援するサービスを提供するなどして、EADの普及を支援する必要がある。EADの普及が支援されることで、EADを活用したデジタルコンテンツの利便性を向上させることができる。

これらの課題を解決するために、EADの策定団体である国際図書館連盟(IFLA)や、EADの普及に取り組む団体などが、さまざまな取り組みを行っている。これらの取り組みが実を結むことで、EADの課題が解決され、EADがより広く利用されるようになることが期待される。

まとめ

EADは、アーカイブ資料のメタデータ標準として、広く活用されている。EADを用いることで、アーカイブ資料の構造や内容をコンピュータで読み取りやすくし、検索や利用を容易にすることができる。

EADは、今後もアーカイブ資料のデジタル化や検索・利用に重要な役割を果たしていくと考えられる。EADの普及や利活用の促進により、アーカイブ資料の価値や利便性がさらに高まっていくことが期待される。

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