分散データベースとは?仕組みや種類・メリットをわかりやすく解説

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分散データベースとは、複数のコンピュータ上にデータベースを分散配置したシステムである。

中央集中型データベースとは異なり、データは複数のサーバーまたはノードに分散される。




分散データベースの仕組み

分散データベースのは、大きく分けて以下の3つの要素から構成されている。

データの分散

分散データベースでは、データを複数のコンピュータに分散して保存する。データの分散方法には、以下のようなものがある。

  • 水平分散:データを属性やレコード単位で分散する。
  • 垂直分散:データをテーブル単位で分散する。
  • 混合分散:水平分散と垂直分散を組み合わせる。

データの整合性

分散データベースでは、複数のコンピュータに分散されたデータの整合性を維持する必要がある。データの整合性を維持する方法には、以下のようなものがある。

アクセス制御

分散データベースでは、複数のコンピュータからデータにアクセスできるようにする必要がある。アクセス制御には、以下のようなものがある。

分散データベースの構成

分散データベースの構成は、大きく分けて以下の3つの要素からなる。

ノード

ノードは、データを格納するコンピュータである。ノードは、以下の2つの種類に分けられる。

  • データノード
    • データを格納するノード。
  • 管理ノード
    • データの整合性を維持したり、データベースの管理を行うノード。

ネットワーク

ネットワークは、ノード同士を接続するネットワークである。ネットワークには、以下の2つの種類がある。

  • 専用ネットワーク
    • 分散データベース専用のネットワーク。
  • 共用ネットワーク
    • 分散データベース以外の用途にも使用されるネットワーク。

ソフトウェア

ソフトウェアは、ノード間でのデータのやり取りや、データの整合性を維持するためのソフトウェアである。ソフトウェアには、以下の2つの種類がある。

  • データベース管理システム(DBMS)
  • データ整合性管理ソフトウェア
    • データの整合性を維持するためのソフトウェア。

分散データベースの構成例

分散データベースの構成例としては、以下のようなものが挙げられる。

  • クライアント・サーバー型
    • クライアントノードからのデータのアクセスを、管理ノードが制御する構成。
  • P2P型
    • ノード同士が直接通信する構成。
  • ハイブリッド型

分散データベースの構成は、データの性質や利用目的に合わせて選択することが重要である。

分散データベースの種類

分散データベースは、データの分散方法や処理方法によって、以下の4つの種類に分けられる。

水平分散型

水平分散型は、データの同一のデータを複数のコンピュータに分散する方法である。データの分散は、データのキー値に基づいて行われることが多い。

水平分散型のメリットは、以下のようなものが挙げられる。

  • スケーラビリティの向上
    • データの量の増加に合わせて、データベースの規模を柔軟に拡張することができる。
  • パフォーマンスの向上
    • データの処理を複数のコンピュータで分散することで、パフォーマンスを向上させることができる。

水平分散型のデメリットは、以下のようなものが挙げられる。

  • データの整合性の維持
    • 複数のコンピュータにデータを分散するため、データの整合性を維持するための仕組みが必要である。

垂直分散型

垂直分散型は、データの異なる属性を異なるコンピュータに分散する方法である。データの分散は、データの属性に基づいて行われることが多い。

垂直分散型のメリットは、以下のようなものが挙げられる。

  • データの可用性の向上
    • 特定のコンピュータに障害が発生した場合でも、データの一部を失うだけで済む。
  • データの管理の効率化
    • データの属性ごとにコンピュータを分けることで、データの管理を効率化することができる。

垂直分散型のデメリットは、以下のようなものが挙げられる。

  • データの整合性の維持
    • 複数のコンピュータにデータを分散するため、データの整合性を維持するための仕組みが必要である。

複合分散型

複合分散型は、水平分散と垂直分散を組み合わせた方法である。水平分散と垂直分散のメリットを組み合わせることで、より効率的なデータベースを構築することができる。

複合分散型のメリットは、以下のようなものが挙げられる。

  • スケーラビリティの向上
    • データの量の増加に合わせて、データベースの規模を柔軟に拡張することができる。
  • パフォーマンスの向上
    • データの処理を複数のコンピュータで分散することで、パフォーマンスを向上させることができる。
  • データの可用性の向上
    • 特定のコンピュータに障害が発生した場合でも、データの一部を失うだけで済む。
  • データの管理の効率化
    • データの属性ごとにコンピュータを分けることで、データの管理を効率化することができる。

ハッシュ分散型

ハッシュ分散型は、データのキー値に基づいてデータを分散する方法である。データの分散は、データのキー値のハッシュ値に基づいて行われることが多い。

ハッシュ分散型のメリットは、以下のようなものが挙げられる。

  • データの整合性の維持
    • データのキー値に基づいてデータを分散するため、データの整合性を維持しやすい。

ハッシュ分散型のデメリットは、以下のようなものが挙げられる。

  • データの可用性の低下
    • 特定のコンピュータに障害が発生した場合、データの一部を失うだけでなく、データの整合性も失われる可能性がある。

分散データベースの種類は、データの性質や利用目的に合わせて選択することが重要である。

分散データベースのメリット

大規模なデータの処理が可能

分散データベースは、複数のコンピュータにデータを分散して保存するため、大規模なデータの処理が可能となる。例えば、顧客情報や商品情報などの大量のデータを処理するために、分散データベースが利用される。

可用性の向上

分散データベースは、複数のコンピュータにデータを分散して保存するため、1台のコンピュータが故障しても、データの可用性を維持することができる。例えば、インターネットショッピングサイトやオンラインバンキングなどのシステムでは、分散データベースが利用されることで、24時間365日、安定したサービスを提供することができる。

パフォーマンスの向上

分散データベースは、複数のコンピュータにデータを分散して保存するため、処理の負荷を分散することができる。例えば、リアルタイムのデータを処理するシステムでは、分散データベースが利用されることで、処理速度を向上させることができる。

分散データベースの例

分散データベースの事例としては、以下のようなものが挙げられる。

Google 検索

Google 検索は、膨大な量のウェブページの情報を処理するために、分散データベースが用いられている。

Google 検索では、クローラーと呼ばれるプログラムがウェブページを巡回して情報を収集し、インデックスと呼ばれるデータベースに格納する。インデックスは、分散データベースである「Bigtable」によって管理されており、膨大な量のデータを高速に処理することができる。

Amazon ショッピング

Amazon ショッピングは、膨大な量の商品情報や注文履歴を処理するために、分散データベースが用いられている。

Amazon ショッピングでは、商品情報や注文履歴などのデータは、分散データベースである「DynamoDB」によって管理されている。DynamoDBは、水平分散型の分散データベースであり、データの追加や削除、更新を効率的に行うことができる。

Facebook

Facebookは、膨大な量のユーザー情報や投稿情報を処理するために、分散データベースが用いられている。

Facebookでは、ユーザー情報や投稿情報などのデータは、分散データベースである「Hadoop」によって管理されている。Hadoopは、オープンソースの分散データ処理フレームワークであり、大量のデータを効率的に処理することができる。

LINE

LINEは、膨大な量のユーザー情報やメッセージ情報を処理するために、分散データベースが用いられている。

LINEでは、ユーザー情報やメッセージ情報などのデータは、分散データベースである「Couchbase」によって管理されている。Couchbaseは、水平分散型の分散データベースであり、リアルタイムで更新されるデータを効率的に処理することができる。

分散データベースのデメリット

分散データベースは、大規模なデータの処理や可用性の向上、パフォーマンスの向上などのメリットがある一方で、以下のデメリットもある。

複雑さ

分散データベースは、複数のコンピュータにデータを分散して保存するため、以下の設計や運用が複雑となる。

  • データの分散方法や整合性の維持方法を検討する必要がある。
  • 複数のコンピュータの監視や管理を行う必要がある。

コスト

分散データベースを導入・運用するには、複数のコンピュータを用意する必要があるため、以下のコストがかかる。

  • コンピュータの購入や保守費用
  • ネットワークの構築や運用費用

セキュリティ

分散データベースは、複数のコンピュータにデータを分散して保存するため、データの暗号化やアクセス制御などの対策を行う必要がある。

分散データベースとブロックチェーンの違い

分散データベースとブロックチェーンは、どちらも複数のコンピュータにデータを分散して格納する技術である。しかし、両者にはいくつかの重要な違いがある。分散データベースとブロックチェーンの相違点は、以下の点である。

データの整合性の維持方法

分散データベースでは、中央の管理者がデータの整合性を維持する。一方、ブロックチェーンでは、ブロックチェーンに記録されたデータのハッシュ値を検証することで、データの整合性を維持する。

データの変更の可否

分散データベースでは、データの変更は容易に行うことができる。一方、ブロックチェーンでは、データの変更は非常に困難である。

データの利用目的

分散データベースは、さまざまなデータの管理に活用できる。一方、ブロックチェーンは、特に信頼性や透明性が求められるデータの管理に活用される。

分散データベースとブロックチェーンの用途

分散データベースは、以下の用途に活用されている。

  • Webサイト
    • 商品情報やニュース記事など、大量のデータを扱うWebサイトでは、分散データベースが用いられることが多い。
  • ソーシャルメディア
    • ユーザーの投稿やコメントなど、膨大なデータを扱うソーシャルメディアでは、分散データベースが用いられることが多い。
  • eコマース
    • 商品の在庫情報や注文履歴など、リアルタイムで更新されるデータを扱うeコマースでは、分散データベースが用いられることが多い。
  • ゲーム
    • ゲームのキャラクターやアイテムなどのデータを扱うゲームでは、分散データベースが用いられることが多い。
  • IoT
    • センサーから収集される大量のデータを扱うIoTでは、分散データベースが用いられることが多い。

ブロックチェーンは、以下の用途に活用されている。

  • 暗号通貨
    • 暗号通貨の取引記録を管理するために、ブロックチェーンが用いられる。
  • サプライチェーン管理
    • 商品の製造から流通までの情報を管理するために、ブロックチェーンが用いられる。
  • 不動産登記
    • 不動産の所有権や権利関係を管理するために、ブロックチェーンが用いられる。
  • 投票
    • 投票結果の改ざんを防止するために、ブロックチェーンが用いられる。

まとめ

分散データベースは、複数のコンピュータ上にデータを分散配置したシステムである。パフォーマンスの向上、可用性の向上、柔軟性の向上などのメリットがある。しかし、データの整合性やパフォーマンスの低下、管理の複雑化などの課題もある。

分散データベースは、システムの規模や運用要件に合わせて、適切に利用することが重要である。

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