ディレクトリとは?概要をわかりやすく解説

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ディレクトリは、コンピュータ上のファイルシステムにおいて、ファイルを分類・整理するための仮想的な空間である。日本語では「フォルダ」とほぼ同義で使われるが、厳密には異なる概念である。




ディレクトリの構造

ディレクトリは、ツリー状の階層構造で構成される。

  • ルートディレクトリファイルシステムの最上位にあるディレクトリ。
  • サブディレクトリ:他のディレクトリ内にあるディレクトリ。
  • ファイル:ディレクトリ内に格納されるデータの最小単位。

各ディレクトリには、以下の属性が設定される。

  • 名前:ディレクトリを識別するための文字列。
  • パス:ルートディレクトリからたどっていくファイルシステム上の位置。
  • アクセス権:ディレクトリに対するアクセス権限。
  • 所有者:ディレクトリの所有者。
  • 作成日時:ディレクトリが作成された日時。
  • 更新日時:ディレクトリが最後に更新された日時。

ディレクトリの機能

ディレクトリは、ファイルシステムにおける重要な概念であり、以下の機能を提供する。

1. ファイルの整理

ディレクトリは、ファイルの種類、作成日、プロジェクトなど、任意の基準でファイルを分類・整理するための仮想的な空間である。

2. ファイルの検索

ディレクトリ階層を辿ることで、目的のファイルを効率的に検索することができる。

3. アクセス権の設定

ディレクトリごとにアクセス権を設定することで、ファイルへのアクセスを制御することができる。

4. ファイル共有

ディレクトリを共有することで、複数のユーザが同じファイルにアクセスすることができる。

5. システム管理

ディレクトリは、システム設定やユーザ情報などを管理するためにも使用される。

ディレクトリのコマンド

コンピュータ内のファイルを効率的に管理するためには、ディレクトリ操作をマスターすることが重要である。ここでは、WindowsとLinuxにおける代表的なディレクトリ操作コマンドについて、具体的な例を交えてご紹介する。

1. カレントディレクトリ確認

カレントディレクトリとは、現在操作しているディレクトリのことである。どのディレクトリを操作しているのかを知るためには、以下のコマンドを使用する。

Windows

  • cd コマンド:カレントディレクトリを表示する。
C:\Users\user>cd
C:\Users\user

Linux

  • pwd コマンド:カレントディレクトリのパスを表示する。
$ pwd
/home/user

2. ディレクトリ移動

ディレクトリ移動とは、別のディレクトリに移動することを指す。以下のコマンドを使用することで、目的のディレクトリに移動できる。

Windows

  • cd コマンド:指定されたディレクトリに移動する。
C:\Users\user>cd Desktop
C:\Users\user\Desktop

Linux

  • cd コマンド:指定されたディレクトリに移動する。
$ cd Documents
$ pwd
/home/user/Documents

相対パスと絶対パス

ディレクトリ移動には、相対パス絶対パスの2つの方法がある。

  • 相対パス:カレントディレクトリを基準としたパス
  • 絶対パス:ルートディレクトリから始まるパス

上記例では、cd Desktopcd Documentsはどちらも相対パスを使用している。

3. ディレクトリ作成

ディレクトリ作成とは、新しいディレクトリを作成することを指す。以下のコマンドを使用することで、任意の場所に新しいディレクトリを作成できる。

Windows

  • mkdir コマンド:指定された名前のディレクトリを作成する。
C:\Users\user>mkdir New_folder

Linux

  • mkdir コマンド:指定された名前のディレクトリを作成する。
$ mkdir work
$ ls
work

4. ディレクトリ削除

ディレクトリ削除とは、不要なディレクトリを削除することを指す。以下のコマンドを使用することで、ディレクトリを削除できる。

Windows

  • rmdir コマンド:空のディレクトリを削除する。
C:\Users\user>rmdir New_folder

Linux

  • rmdir コマンド:空のディレクトリを削除する。
$ rmdir work

ディレクトリ内のファイル削除

ディレクトリ内にファイルが存在する場合は、rmdirコマンドでは削除できない。その場合は、delコマンド(Windows)やrmコマンド(Linux)を使用してファイルを削除してから、rmdirコマンドを実行する必要がある。

5. ディレクトリ一覧表示

ディレクトリ一覧表示とは、カレントディレクトリ内のファイルやディレクトリの一覧を表示することを指す。以下のコマンドを使用することで、詳細な情報も含めて一覧を表示できる。

Windows

  • dir コマンド:カレントディレクトリ内のファイルやディレクトリの一覧を表示する。
C:\Users\user>dir

Linux

  • ls コマンド:カレントディレクトリ内のファイルやディレクトリの一覧を表示する。
$ ls -l

これらのコマンドは、オプションを指定することで、表示内容をさらに詳細にしたり、特定の条件に合致するファイルやディレクトリのみを表示したりすることができます。 

ディレクトリとフォルダの違い

ディレクトリとフォルダは、多くの場合、同義で使われる。しかし、厳密には異なる概念である。

  • ディレクトリ:ファイルシステムにおけるファイルの住所と分類・整理のための箱。
  • フォルダGUI上でディレクトリを表現するための視覚的なオブジェクト。

つまり、ディレクトリはファイルシステムの概念であり、フォルダはGUI上でディレクトリを表現するためのメタファーである。

ディレクトリとフォルダは、以下の点を意識して使い分けることが重要である。

  • コマンドラインで操作する場合は、ディレクトリという用語を使う。
  • GUIツール上で操作する場合は、フォルダという用語を使う。

まとめ

ディレクトリの構造は、ファイルシステムの基盤となる重要な概念である。AWS、Azureなどのクラウドサービスでも、独自のディレクトリ構造が用いられている。ディレクトリ構造を理解し、適切に設計することで、ファイルシステムをより効率的に利用することができる。

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