ゼロ知識証明とは？種類などをわかりやすく解説

ゼロ知識証明とは、ある人が他の人に、自分の持っている命題が真であることを伝えるのに、真であること以外の何の知識も伝えることなく証明できるようなやりとりの手法である。

例えば、ある人が「私はパスワードを知っています」と証明したい場合、通常はパスワードそのものを相手に伝える必要がある。しかし、ゼロ知識証明を使えば、パスワードそのものを相手に伝えることなく、パスワードを知っていることを証明することができる。

ゼロ知識証明は、暗号学において重要な技術であり、さまざまな応用が考えられている。

ゼロ知識証明の性質

ゼロ知識証明には、以下の3つの性質が求められる。

• 完全性：証明者が命題を真に知っている場合、検証者は必ず証明を受け入れなければならない。
• 健全性：証明者が命題を偽に知っている場合は、検証者は必ず証明を拒否しなければならない。
• ゼロ知識性：検証者は、証明から命題以外の知識を何も得てはならない。

ゼロ知識証明の種類

ゼロ知識証明には、大きく分けて2つの種類がある。

• Interactive Proof（対話型証明）：証明者と検証者が交互に証明をやり取りする方法である。
• Non-Interactive Proof（非対話型証明）：証明者と検証者が一度だけやり取りする方法である。

対話型証明は、証明の強さが高いが、やり取りの回数が多くなるという欠点がある。非対話型証明は、やり取りの回数が少ないという利点があるが、証明の強さが対話型証明に比べて劣る。

ゼロ知識証明の応用

ゼロ知識証明は、さまざまな応用が考えられている。

• 認証：パスワードや秘密鍵の認証に利用できる。
• 検査：ソフトウェアやデータの検査に利用できる。
• 投票：秘密投票に利用できる。
• クラウドコンピューティング：クラウドコンピューティングのセキュリティ向上に利用できる。

ゼロ知識証明の具体的な例

ゼロ知識証明の具体的な例としては、以下のようなものが挙げられる。

• ランダムオラクル：検証者がランダムな数字を生成して証明者に伝え、証明者がその数字の平方根を計算して答えを返すことで、証明者が平方根の計算方法を知っていることを証明する。
• ベッドフォード・リース証明：証明者が、ある数を素数に分解する方法を知っていることを証明する。
• ペン・アンド・ペーパー証明：証明者が、ある数学的な命題が成り立つことを証明するために、紙とペンで計算を行うことで、証明者がその命題を理解していることを証明する。

これらの例は、すべて対話型証明である。非対話型証明の例としては、以下のようなものが挙げられる。

• ブロガー証明：証明者が、ある公開鍵と秘密鍵のペアを知っていることを証明する。
• ベクトル暗号証明：証明者が、あるベクトルが特定の条件を満たしていることを証明する。