VPNとは?種類やメリットなどをわかりやすく解説

VPN(Virtual Private Network)とは、インターネットなどの公衆回線を介して、あたかも専用線で接続しているかのように、プライベートなネットワークを構築する技術である。

具体的には、VPNサーバーと呼ばれる機器を経由して、拠点間の通信を暗号化することで、セキュリティを高めることができる。また、IPアドレスを偽装することで、通信内容を隠蔽したり、地域制限を回避したりすることも可能である。




VPNの構成

VPNクライアント

VPNクライアントとは、VPN接続を行うためのソフトウェアである。VPN接続を利用する端末にインストールすることで、VPN接続を行うことができる。

VPNクライアントは、以下の機能を提供する。

  • VPN接続の設定

VPN接続の設定を行うことで、VPN接続に必要な情報を入力することができる。

  • VPN接続の確立

VPN接続の設定が完了すると、VPN接続を確立することができる。

  • VPN接続の維持

VPN接続が確立されると、VPN接続が切断されないように維持することができる。

VPNサーバー

VPNサーバーとは、VPN接続を提供するソフトウェアである。VPN接続のゲートウェイとして機能し、VPN接続を利用する端末とインターネットを接続する役割を担う。

VPNサーバは、以下の機能を提供する。

  • VPN接続の提供

VPN接続を利用する端末からの接続を受け付け、VPN接続を提供する。

  • VPN接続の認証

VPN接続を利用する端末やユーザーの正当性を確認する。

  • VPN接続の暗号化

VPN接続でやり取りされるデータを暗号化する。

VPNトンネルプロトコル

VPNトンネルプロトコルとは、VPN接続の際に用いられる通信プロトコルである。VPN接続を安全に行うために、通信内容を暗号化するためのアルゴリズムや、データのやり取りの方式などを定義している。

VPNトンネルプロトコルには、以下のようなものが挙げられる。

  • IPsec

IPsecは、IPsecプロトコルを用いて、通信内容を暗号化および認証するVPNトンネルプロトコルである。セキュリティが高く、広く普及している。

  • SSL/TLS

SSL/TLSは、SSL/TLSプロトコルを用いて、通信内容を暗号化および認証するVPNトンネルプロトコルである。IPsecと比べてセキュリティは低いが、導入や運用が容易である。

  • L2TP/IPsec

L2TP/IPsecは、L2TPプロトコルとIPsecプロトコルを組み合わせたVPNトンネルプロトコルである。IPsecとSSL/TLSの両方のメリットを兼ね備えている。

VPNクライアントとVPNサーバーの関係

VPNクライアントとVPNサーバは、VPN接続を実現するために不可欠な要素である。VPNクライアントとVPNサーバが正しく動作することで、安全にVPN接続を行うことができる。

VPNクライアントは、VPNサーバーとの間でVPNトンネルを確立し、そのトンネルを介してデータをやり取りする。VPNサーバは、VPNクライアントからの接続を受け付け、認証を行い、データを暗号化して送信する。

VPNクライアントとVPNサーバは、それぞれ独立して動作するソフトウェアである。VPNクライアントとVPNサーバが同じ機器にインストールされている場合もあれば、異なる機器にインストールされている場合もある。

VPNの種類

VPNには、以下の2つの主要な種類がある。

拠点間接続型VPN

拠点間接続型VPNは、複数の拠点を仮想的な専用線で接続するVPNである。インターネット回線を利用するため、専用線と比べてコストを抑えることができる。

拠点間接続型VPNには、以下のメリットがある。

  • セキュリティの向上

インターネット回線を利用するが、暗号化によって通信内容を保護するため、セキュリティを向上させることができる。

  • 利便性の向上

インターネット回線を利用するため、拠点間の接続を容易に行うことができる。

  • コストの削減

専用線と比べてコストを抑えることができる。

リモートアクセス型VPN

リモートアクセス型VPNとは、モバイル端末や社外から、社内ネットワークにアクセスするVPNである。VPN接続装置を設置するだけで、モバイル端末や社外から安全に社内ネットワークにアクセスすることができる。

リモートアクセス型VPNには、以下のメリットがある。

  • テレワークやモバイルワークの促進

社外からでも安全に社内ネットワークにアクセスできるため、テレワークやモバイルワークを促進することができる。

  • 営業活動の効率化

社外からでも社内システムにアクセスできるため、営業活動の効率化を図ることができる。

  • BCP対策

災害時など、社内に出社できない場合でも、社内ネットワークにアクセスできるため、BCP対策に役立つ。

VPNのメリット

セキュリティの向上

VPNは、通信内容を暗号化することで、第三者による盗聴や改ざんを防止することができる。そのため、社内ネットワークへのアクセスや、クラウドサービスへの接続など、セキュリティを重視する場面で利用されることが多い。

利便性の向上

VPNを利用することで、拠点間やモバイル端末からの社内ネットワークへのアクセスを、安全かつ容易に行うことができる。そのため、テレワークやモバイルワークの導入・推進にも有効である。

コストの削減

VPNを利用することで、専用線を敷設するコストや、VPN接続装置の購入・設置コストを削減することができる。また、VPN接続はインターネット回線を利用するため、専用線と比べてランニングコストを抑えることができる。

BCP対策

VPNを利用することで、災害や停電などの災害時に、事業継続を図ることができる。例えば、災害時に本社が利用できない場合でも、VPNを利用することで、拠点間やモバイル端末から社内ネットワークにアクセスして、業務を継続することができる。

VPNは、セキュリティの向上や利便性の向上など、さまざまなメリットがあるネットワーク技術である。ビジネスの現場では、セキュリティ対策やテレワークの導入・推進など、さまざまな場面でVPNが利用されている。

まとめ

VPNは、インターネットなどの公衆回線を介して、あたかも専用線で接続しているかのように、プライベートなネットワークを構築する技術である。セキュリティの向上、通信内容の隠蔽、地域制限の回避などのメリットがある。

VPNは、企業の拠点間接続、テレワーク、海外旅行など、さまざまなシーンで活用されている。VPNを選ぶ際には、セキュリティ、パフォーマンス、コストなどのポイントを踏まえて、適切なVPNを選ぶことが重要である。

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