リーダブルコードとは、他の人が読んでも理解しやすいコードのことである。
リーダブルコードのメリット
リーダブルコードを書くことのメリットは、大きく分けて以下の4つが挙げられる。
保守性や再利用性が高まる
リーダブルコードは、誰が読んでも理解しやすいため、バグの発見や修正が容易になる。また、再利用したい場面でも、他のエンジニアが理解しやすいため、再利用しやすくなる。
コードレビューがしやすくなる
リーダブルコードは、理解しやすいため、コードレビューがしやすくなる。コードレビューでは、他のエンジニアが書いたコードを理解し、問題点や改善点を指摘する。リーダブルコードであれば、コードレビューの時間を短縮でき、より効率的に開発を進めることができる。
チーム開発においてコミュニケーションの効率が上がる
リーダブルコードは、チーム開発においてコミュニケーションの効率を向上させる。チーム開発では、複数のエンジニアが同じコードを共有する必要がある。リーダブルコードであれば、他のエンジニアとコードについて円滑にコミュニケーションをとることができ、開発がスムーズに進む。
コードを書く時間や労力が減るため、生産性が向上する
リーダブルコードを書くためには、最初にコードの構造や流れをよく考える必要がある。そのため、最初は時間や労力がかかるかもしれないが、後々になってバグの発見や修正などの手間が減るため、生産性が向上する。
リーダブルコードのポイント
わかりやすい変数名や関数名を使う
変数名や関数名は、その変数や関数が何を表しているか、すぐにわかるようにする。そのためには、以下のことに注意する。
- 意味のある単語を使う
変数名や関数名は、その変数や関数が何を表しているかを、意味のある単語を使って表す。例えば、user_id
という変数名であれば、その変数はユーザーのIDを表していることがわかる。
- 複数の意味を持つ言葉は避ける
変数名や関数名は、複数の意味を持つ言葉は避ける。例えば、count
という変数名であれば、その変数が「数える」という意味なのか「カウントダウン」という意味なのか、読み手に判断が求められてしまう。
- 長すぎる名前は避ける
変数名や関数名は、長すぎる名前は避ける。長すぎる名前は、読みにくくなるだけでなく、コードの可読性も低下させる。
適切なコードの構造にする
コードは、一貫性のある構造にすることで、読みやすくなる。そのためには、以下のことに注意する。
- インデントを整える
インデントを整えることで、コードの構造が明確になり、読みやすさが向上する。
- 長いコードは分割する
長いコードは、適切な位置で分割することで、読みやすさが向上する。
- 条件文やループ文は、わかりやすいように書く
条件文やループ文は、わかりやすいように書くことで、読みやすさが向上する。例えば、条件文の条件式は、否定形よりも肯定形を使うことで、読みやすさが向上する。
適切なコメントをつける
コードの目的や処理の流れなどをコメントで説明することで、コードの理解がしやすくなる。そのためには、以下のことに注意する。
- コメントは、コードの理解に必要な情報を記載する
コメントは、コードの理解に必要な情報を記載する。そのため、コードから読み取れる情報は、コメントに記載する必要はない。
- コメントは、簡潔でわかりやすいように書く
コメントは、簡潔でわかりやすいように書く。長すぎるコメントは、読みにくくなるだけでなく、コードの可読性も低下させる。
- コメントは、最新の情報を記載する
コメントは、最新の情報を記載する。コードが変更された場合は、コメントも合わせて変更する。
コードのスタイルを統一する
インデントや空白、コメントの記法など、コードのスタイルを統一することで、読みやすさやメンテナンス性が向上する。そのためには、以下のことに注意する。
- チーム内でのルールを定める
チーム内でのルールを定めることで、コードのスタイルを統一しやすくなる。
- ルールを守るようにする
ルールを守るようにすることで、コードのスタイルが統一され、読みやすさやメンテナンス性が向上する。
リーダブルコードを書くことは、ソフトウェア開発において重要なスキルである。リーダブルコードを書くためのポイントを押さえて、わかりやすく、読みやすいコードを書くように心がけよう。
リーダブルコードの具体例
名前の付け方
名前の付け方は、リーダブルコードの最も重要なポイントである。名前がわかりにくいと、コードの目的や意図を理解するのが難しくなる。
変数の名前は、その値や意味を明確にわかるように付ける。関数の名前は、その処理の内容を明確にわかるように付ける。
例えば、以下のコードは、変数名や関数名がわかりにくいため、理解しにくい。
// 変数名がわかりにくい
var x = 10;
// 関数名がわかりにくい
function doSomething(param) {
// ...
}
これを、以下のコードのように変更すると、わかりやすくなる。
// 変数名をわかりやすくする
var number = 10;
// 関数名をわかりやすくする
function doSomething(parameter) {
// ...
}
コメントの書き方
コメントは、コードの目的や意図を説明するために記述する。コメントがないと、コードを理解するのが難しくなる。
コメントは、コードの行末に記述するのが一般的である。また、コメントは、コードを理解するために必要な情報を簡潔に記述する。
例えば、以下のコードは、コメントがないため、理解しにくい。
// コメントがないため、理解しにくい
function doSomething() {
// ...
}
これを、以下のコードのように変更すると、わかりやすくなる。
// コメントを追加する
function doSomething() {
// 何かをする関数
// ...
}
コードの構造
コードの構造は、わかりやすく整理することで、読みやすさや理解しやすさが向上する。
コードの構造を整理するためには、以下の点に注意する。
- 適切なインデントを使用する
インデントを使用すると、コードの構造がわかりやすくなる。
- 適切な改行を使用する
適切な改行を使用すると、コードの可読性が向上する。
- 適切なコメントを使用する
コメントを使用すると、コードの構造を説明するのに役立つ。
例えば、以下のコードは、インデントや改行がないため、わかりにくい。
function doSomething() {
if (condition) {
doSomething1();
doSomething2();
} else {
doSomething3();
}
}
これを、以下のコードのように変更すると、わかりやすくなる。
function doSomething() {
if (condition) {
doSomething1();
doSomething2();
} else {
doSomething3();
}
}
リーダブルコードのアンチパターン
一方で、リーダブルコードとは反対の「アンチパターン」と呼ばれるコードの書き方もある。アンチパターンのコードは、読みにくく、理解しにくいため、バグの発生やメンテナンスの困難さにつながる。リーダブルコードのアンチパターンの例をいくつか挙げる。
1. 長い行
行が長すぎると、読みにくく、理解しにくい。行の長さは、80文字程度を目安にするのがよい。
2. 冗長なコード
同じことを繰り返し書いているコードは、冗長である。冗長なコードは、読みにくく、理解しにくいだけでなく、メンテナンスの際にも修正が煩雑になる。
3. わかりにくい変数名
変数名は、その変数の意味を明確に表すように命名する。わかりにくい変数名は、コードの理解を妨げる。
4. わかりにくいコメント
コメントは、コードの理解を助けるために書くものである。しかし、わかりにくいコメントは、かえってコードの理解を妨げる。
5. 不適切なコメント
コメントは、コードの理解に必要な情報を記載するものである。コードの意味を説明するだけのコメントは、不要である。
6. 不必要なコメント
コードの意味は明らかなのに、コメントが付いている場合は、不必要なコメントである。不必要なコメントは、コードの冗長さを増す。
7. 不適切なコードの構造
コードの構造が不適切だと、読みにくく、理解しにくい。コードの構造は、論理的かつ一貫性のあるものにする。
8. 不必要な複雑さ
コードを複雑にする必要はない。複雑なコードは、読みにくく、理解しにくいだけでなく、バグの発生やメンテナンスの困難さにつながる。
9. 不必要な制御構造
制御構造は、必要なときにのみ使用する。不必要な制御構造は、コードの冗長さを増す。
10. 不必要な条件分岐
条件分岐は、必要なときにのみ使用する。不必要な条件分岐は、コードの複雑さを増す。
リーダブルコードのアンチパターンを避ける
リーダブルコードのアンチパターンを避けるために、以下のことに注意する。
- 行の長さは、80文字程度を目安にする。
- 同じことを繰り返し書かないようにする。
- 変数名は、その変数の意味を明確に表すように命名する。
- コメントは、コードの理解に必要な情報を記載する。
- コードの構造は、論理的かつ一貫性のあるものにする。
- コードを複雑にしすぎないようにする。
- 制御構造や条件分岐は、必要なときにのみ使用する。
まとめ
リーダブルコードは、他の人が読んでも理解しやすいコードのことである。リーダブルコードは、コードの理解を容易にし、メンテナンスのしやすさを向上させ、チーム開発の効率を上げるなど、さまざまな点で重要である。
リーダブルコードを書くためには、名前の付け方、コメントの書き方、コードの構造の3つのポイントを押さえることが重要である。